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5-3.【ステロイド】プレドニゾロン(プレドニン)の作用・副作用のメカニズム(機序) その2



プレドニゾロンの作用・副作用①の続きになります。


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⑧肉芽形成を抑制する作用

 
②の糖新生作用で、蛋白質が代謝・分解されます。
 
すると、皮膚組織の修復や創傷の治癒が遅れます。
 
また、傷の治りが遅い分、創傷から細菌の侵入が起きるリスクが高まるため、感染症を起こしします。
 

⑨消化性潰瘍が起こりやすくなる

 
大脳皮質に作用して、食欲増進作用が起こります。
 
 
大脳皮質→延髄→副交感神経→胃粘膜を経由し、
 
胃酸やペプシンの分泌を亢進させます。
 
 
また、胃粘膜を保護するムチンの減少を起こします。
 
 
これらの作用により、消化性潰瘍を起こりやすい環境をつくります。
 
 
消化性潰瘍の発症の危険因子には、
ヘリコバクター・ピロリ菌の存在
カロナールなどのNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)
感染症
などがあります。
 
 
これらの因子がある患者さまは、特に注意して観察を行うようにした方がいいですね(๑•̀ㅁ•́๑)
 
 

⑩筋力低下・皮膚の菲薄化(ひはくか)を起こす作用

 
 ②⑧と同様の機序で、骨・皮膚・筋肉などに貯蔵されている蛋白質が代謝・分解されやすくなります。
 
 
 
それにより、筋力低下や筋萎縮が起こしやすくなります。
 
 
 
皮膚も薄くなりやすくなります。
 
 
ステロイドを内服している患者さまは、表皮剥離や褥創が起きやすかったり、採血の痕が残りやすかったりすることが多いですね。
 
 
 
患者さまの身体に触れる際は気をつけましょう。
 
 

⑪脳浮腫の改善

 
 ⑦の抗アレルギー作用・抗炎症作用により、炎症による毛細血管の透過性が抑えられます。
 
血管から間質に、血中の水分が漏れにくくなります。
 
この作用により、毛細血管の多い部位での浮腫を改善させる作用があります。
 
毛細血管の多い箇所には、脳、眼、手足の指先などがあります。
 
 
特に、脳腫瘍の患者さまに生じる脳浮腫の改善のために、この作用が利用されているようです。
 
 

⑫ショックの改善

 
 ショック状態(急激に血圧低下が起きた状態)による循環不全に伴って、急性副腎不全が起こることがあります。
 
急性副腎不全を起こしている患者さまは、昇圧目的に昇圧剤(ノルアドレナリン)を投与しても反応が起こりにくいことがあるようです。
 
 
プレドニゾロンは副腎不全の改善作用があります。
 
 
副腎不全の改善作用により、ノルアドレナリンに対する反応を高めることで、ノルアドレナリンに反応しにくい低血圧を回復させます。
 
 
したがって、ショック状態を改善させることにつながります。
 
 
ただし、実際の臨床ではプレドニゾロンよりも、糖質コルチコイドの別の種類である「コルチゾン(コートリル)」「ヒドロコルチゾン(ソル・コーテフ、ハイドロコートン)」製剤のほうが抗ショックに優れています。
 
 
目的をもって使われる場合は、こちらの方が優先されるでしょう。
 
 

⑬ステロイド中止時の離脱症候群(りだつしょうこうぐん):副腎クリーゼ

 
 
生体で分泌されるステロイドは、
 
『間脳』から分泌される
「副腎皮質刺激ホルモン放出因子」の作用により
『脳下垂体』から
「副腎皮質刺激ホルモン」が分泌され
これが副腎皮質を刺激して、
ステロイドを分泌させます。
 
 
副腎皮質ホルモン放出因子と副腎皮質刺激ホルモンは、血中のステロイドの量によって反比例するように調節されています。
 
 
ですので、ステロイド内服中はステロイド分泌を促すホルモンが分泌されにくくなっています。
 
 
そのため、急にステロイドの内服を中止してしまうと、「ステロイド離脱症候群」とよばれる急性副腎機能不全(副腎クリーゼ)の症状が起こります(๑•̀ㅁ•́๑)
 
 
副腎クリーゼの症状:
  1. 倦怠感
  2. 食欲不振
  3. 脱力感
  4. 腹部症状
  5. 発熱
  6. 血圧低下
  7. 意識障害
  8. 呼吸困難
…と徐々に重い症状に進行していきます。
 
 
治療が遅れると生命を脅かすこともあります。
おそらくこれが一番恐ろしい副作用です!( ;∀;)
 
私が勤める病棟では、
どれだけ治療に理解のある患者さまであっても、プレドニゾロンは必ず看護師で管理をさせていただいています(・∀・)
 
 
飲み忘れたり、内服量をまちがえると大変なことになるからです。
 
 
今回の勉強は以上です!
 
 
長文になり申し訳ありません。
 
 
副作用がいっぱいありますが、ステロイドのパワーと恐ろしさについてしっかりと理解できるようになれたらなと思います。
 
 
みなさんのご意見をお待ちしています!