地域看護師のブログ

地域の守護神を本気で目指すブログ

11-6.深部静脈血栓症の看護【病態・症状・診断・治療・看護過程】



 
みなさんこんにちは。


なすもやしです。


今回のテーマは、
深部静脈血栓症の看護です。


おそらく多数の看護師が深部静脈血栓症という言葉をある程度理解し、予防に向けた看護を実際に行っていることかと思います。


ですので、

今回の記事は深部静脈血栓症の原因と症状、 治療についてがメインになります。


ぜひ、御一読していただき皆様の深部静脈血栓症の病態理解の助けになればと思います!


それでは、やっていきましょう!(^_^)

 


深部静脈血栓症(DVT)


f:id:aiko-and-sibajyun:20170128084103j:image

リダイレクトの警告


特に下腿深部静脈の血栓性閉塞により静脈の灌流障害、下肢のうっ血を来すもの。


血栓が血流にのって肺動脈に詰まると肺血栓塞栓症(PTE) を合併し、突然の呼吸困難をきたす場合がある。


急性期の治療が予後に大きく影響するので早期診断が重要である。


肺塞栓を合併すると致命傷になることもある。

 
発生の誘因


(1) 種々の原因による血液凝固亢進、線溶能低下

 

  • 手術侵襲

 

  • 進行期癌

 

  • 凝固阻止因子であるアンチトロンビンプロテインC の先天的欠乏症

 

  • SLEなど膠原病に合併してみられる抗リン脂質抗体陽性症候群


* 右下肢もしくは両下肢の血栓症は、血液学的異常に起因するもの、 あるいは進行期癌に合併するものが少なくないため、原因について厳重な検索が必要である。


* 抗リン脂質抗体症候群Antiphospholipid Syndrome(APS)


抗リン脂質抗体症候群(APS)は、動静脈血栓症や習慣性流産などの臨床症状と抗リン脂質抗体の出現を特徴とする自己免疫性の疾患である。


抗リン脂質抗体

血清中に存在する複数のリン脂質結合たんぱくに対する自己抗体の総称。

 

  • 抗β2-GPI依存性抗カルジオリピン抗体(aCL)
  • ループスアンチコアグラント(LA)
  • 抗プロトロンビン抗体

などが含まれる。


APS の診断基準
臨床基準として血栓症が認められ、検査基準として、抗β2-GPI 依存性aCL、ループスアンチコアグラント(LA)、リン脂質依存性凝固因子(aPTT、KCT、dRVVT など)の延長が確認される。

 

  • 稀な例として、急速進行性多臓器不全をきたす劇症型APS が存在する。

(2) 全身的または局所要因による静脈血流の停滞


Iliac compression syndrome(左総腸骨動脈を右総腸骨動脈が騎乗する部位で 、同静脈が圧迫される)に代表される、手術中の長時間の同一体位 、砕石位での膝窩部の圧迫、長期臥床などによるもの。


(3) 静脈損傷、静脈炎、静脈瘤による静脈内皮の障害


静脈損傷静脈炎静脈瘤の三つの因子( ウィルヒョウVirchow の3主微)によって静脈内腔に血栓が形成される。


血管内皮の損傷は手術、外傷、 膠原病やベーチェット病等の血管炎による。


一般的に静脈閉塞では、静脈内腔に血栓が形成されると数時間以内に二次性炎症が発生し、炎症が先行しても内腔に血栓形成を随伴する。

 

そのため、静脈閉塞と静脈炎を臨床的に厳密に区別して診断することは困難で、両者は同義語として扱われている。


この中で血液変化とうっ血が主因となるものは、下肢の深部静脈系に生じるものを深部静脈血栓症(DVT)表在静脈に ついては血液性静脈炎(表在性血栓性静脈炎)と呼ばれる。

 


【病態生理】


血液凝固性の亢進・綿溶能の低下


水分脱失、熱傷、ショック、赤血球増多症、嘔吐、下痢などによっ て血液が凝縮したり、粘稠になったりすることで血栓をつくりやす くなる(泥状血栓)ことによって生じる。

 

【症状】


(1) 軽~中等症

 

  • 下肢の腫脹
  • 鈍痛
  • 浮腫
  • 表在静脈拡張、立位における皮膚の色調 変化
  • 足関節の背屈により、腓腹筋部に疼痛を訴えるホーマンズ徴候


大抵の場合、初期症状は軽く、下腿が張る、つるなど筋肉疲労様の症状を訴えることが多い。


腫脹も立位で健側と比較しないとわかりにくい。

 


(2) 重症

 

  • 急激に進行する下肢の腫脹
  • 緊満痛および特有の色調(赤紫色)
  • 静脈灌流障害により動脈流入が阻害され、二次的な虚血症状を示すこともある。


*深在する主幹静脈の急性閉塞では、浮腫が急激に現れ、数時間で極限に達し、圧痕を呈する緊満感のある浮腫性腫脹が特有である。


このような顕著な症状を呈する2~3日前より不定の下肢の違和感 、疲労感に気づく場合があり、実際の血栓発生はこのときにみなされる。


この軽佻な症状を示すものを潜在性血栓(silent thrombosis)というが、かえって肺塞栓症をおこしやすい危険な状態である。


閉塞が主に大腿静脈領域にあって二次的な動脈痙攣を伴う場合には 、全肢におよぶ腫脹がみられるが、皮膚はむしろ蒼白となり、皮下 小静脈は拡張して網状を呈し、有痛性青股腫(重症血栓症)と呼ば れる状態となり、栄養障害が高度な場合には静脈性壊疽をみること がある。


【診断】

  • Dダイマー、FDP、TATの上昇
  • エコー検査や脈波計での血流低下を認める。
  • 下肢静脈エコー、MRI、造影CT、静脈造影で血栓を確認して診断する。


深部静脈血栓症の急性期には、急性主幹動脈閉塞、急性リンパ管炎との鑑別が時に問題となる。

 

通常は肢の腫脹の有無、色調、皮膚温、皮静脈拡張あるいは動脈拍動の有無などを詳細に検討すれば診断は困難ではない。


慢性期になるとリンパ浮腫との鑑別がしばしば困難であるが、リンパ浮腫では皮膚と皮下組織が肥厚するので、単純X線像で特有な紋様状の陰影がみられる。


【治療】


保存的治療

発症後早期(1~2 週間以内)であれば十分に血栓を溶解出来る可能性があるので、注射による血栓溶解凝固療法を施行する。

 

  • 患肢足背静脈あるいは上肢静脈からのウロキナーゼの点滴静注(3 0~40 万単位/日)。

 

  • ヘパリンの持続的全身投与(5000~10000 単位/日)。

 


(1) 抗凝固線療法施行時には、出血性基礎疾患(胃潰瘍、脳梗塞など) の有無に注意する。


(2) 患肢の弾性包帯、もしくは弾性ストッキングによる圧迫。


(3) 内服:約1週間の線溶療法後、内服治療に切り替える。中等から重症例に対してはワーファリンによる抗凝固療法を行い、トロンボテストで15~20%にコントロールする。アスピリンその他の抗血小板も有効である。


(4) アンチトロンビン低下症に対するヘパリン投与、プロテインC低下症に対するワーファリンの投与法は要注意。


【手術】


発症から48 時間以内の浅大腿静脈より中枢に限局した血栓であれば、血栓摘除術の適応となる。


肢全長におよぶ血栓でも、ごく早期であれば手術可能だが、下腿の血栓を完全に摘出するのは難しい。


造影上膝窩静脈以下に血栓が無ければ発症後1週間ぐらいまでは手術適応となるが再閉塞を来しやすい。


有痛性青股腫は手術の絶対適応とされる。


鼠径部にて大腿静脈を露出、これに横切開を加えてフォガティーカテーテルを用いて血栓摘除を行う。


血栓後遺症に伴う高度の静脈灌流障害に対しては、可能なら大伏在静脈によるクロスオーバーバイパス(Palma 手術)、あるいは人工血管を用いた大腿-大腿静脈クロスオーバー バイパスも行われる。


看護問題


肺血栓塞栓症、深部静脈血栓症を発症する危険性がある


看護目標


長期目標

肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症を起こさない


短期目標

肺血栓塞栓症、深部静脈血栓症を予防する行動がとれる


下肢の腫脹、疼痛、呼吸苦、胸痛などの異常の出現がある時は報告できる

 

観察計画(OP)

O:運動障害の有無と程度(足関節、母趾の背屈、母趾の基節の筋 収縮の有無)


O:知覚障害(触覚、痛覚)の有無と程度

*第1・2趾間、下腿から足背


O:麻痺、疼痛、浮腫、骨折、脱臼の有無と程度


O:把持痛の有無 ホーマンズ徴候の有無

 

ケア計画(TP)

T:フットポンプ・弾性ストッキングの指示があれば施行 また、必要性について医師に確認する

 

教育計画(EP)

E:足関節の運動や足趾の運動は下肢の血流を増大させるため行うよう説明する

 


以上になります!
いかがでしたでしょうか。

 


深部静脈血栓症の発生誘因を理解し、 リスクのある患者さまに発生の予防法を実践できるように努めていきましょう!

 


おわり
ご意見をお待ちしています。