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11-8.全身性エリテマトーデスの看護【看護過程・病態生理・症状・診断・治療・合併症】



 みなさんこんにちは。
なすもやしです。


今回の記事は、看護過程の記事になります!


テーマは、

全身性エリテマトーデス


全身性エリテマトーデスは全身に症状を起こす疾患です。


膠原病であることから完治することが難しいため、国から「難病」 に指定されております。


「難病」は、手続きによって助成金が得られる制度があります。

 


制度については正直詳しくないので、 また改めて勉強したいと思います!


ところで、この全身性エリテマトーデスですが、私が配属する腎臓内科でも、 よくこの診断で治療目的で入院する患者さまが多くいます。


全身性エリテマトーデスを含む膠原病は、 全身におよぶ炎症を引き起こすものがあります。

 

  • 皮膚に炎症を起こしたり、
  • 血管に炎症が起きたり、
  • 神経に炎症が起きたり、


体のいたる所に炎症が起きてしまいます。


そして、臓器に炎症を起こしてしまうこともあります。


腎臓に炎症が起これば、 それは糸球体腎炎となって腎機能が低下します。

 


場合によっては末期状態となり、 定期的に血液透析をしなければいけなくなる患者さまも少なくありません。

 

したがって、リウマチ科、膠原病科などだけでなく、腎臓内科でも全身性エリテマトーデスの患者様はよく入院となることが多いのです。

 

 

間質性肺炎を併発して呼吸器内科に転科することもありますし…

 

心内膜炎を合併して循環器内科に移動することだってあります…

 

 
そういうわけで、全身性エリテマトーデスは、どのような診療科においても知っておくべき疾患の1つだといえます


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若い女性に起こりやすいことも全身性エリテマトーデスの特徴の一つですね

 


ぜひ、一緒に勉強していきましょう!(*゚∀゚)

 

てなわけでさっそく、やっていきましょう!

 

 

全身性エリテマトーデス(SLE)


【概念】

全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus:SLE)は、慢性に経過する炎症性疾患で、一度発症すると寛解と再燃を繰り返し、多臓器病変を伴う慢性炎症性疾患である。


我が国におけるSLE 患者は、女性が男性の約10 倍多く罹患し、15~40 歳の妊娠可能年
齢に集中している。


原因は不明であるが、体質、遺伝的素因、免疫機構の異常が関与すると考えられ、日光照射、薬物、感染、妊娠、出産、手術、外傷、 ストレスなどが発症の遠因および増悪因子とされている。


【病態生理】

本症はヒトにおける最も代表的な全身性の自己免疫疾患と考えられ ている。


この病態の多くは免疫複合物の組織の沈着に基づくものと理解されている。


また、自己抗体の産生に関しては、主として抗リンパ球抗体による抑制性T 細胞の機能低下に起因するとする考え方が主流である。


【症状】

臨床症状で最も特徴とする点は多臓器の全身性炎症性疾患である。


しかし、全ての症状が一度に出そろうわけではない。


1)皮膚粘膜症状


a)顔面の蝶型紅斑

鼻根部を中心に両側の頬に左右対称型にみら れる紅斑で、本症に奇異的である。


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リダイレクトの警告

b)discoid 型紅斑

角化症の鱗屑の付着する紅斑で、時に色素沈着や脱失をみる。顔面のみでなく、耳たぶ、指関節背面、足趾関節背面などに好発する。SLE の紅斑は掻痒を伴わない。


c)レイノー症状

寒冷にさらされると、指先が蒼白になり、温まるとともに戻る現象である。


d)脱毛 

大量の頭髪が急に脱落することがある。


e)光線過敏症 

日光や紫外線照射により蝶型紅斑、discoid 型紅斑、時に水泡や紫斑を生じ、またすでに生じている紅斑が悪化する現象である。


f)口腔内病変 

口腔粘膜のびらんや潰瘍を生じることがある。

 
2)関節症状

急性期に手指、肘などの小関節に多発性移動性の関節痛を生じる。

 

疼痛に比して発赤、腫脹などの炎症所見に乏しく、慢性関節リウマチで見られるような関節破壊は起こさない。

 

関節の変形をきたすことはあり、ジャクー関節症と呼ばれるが可逆性である。

 

少数例では大腿骨頭の無菌性骨壊死を生じ、股関節の疼痛や歩行障害を起こす 。

 

とくにステロイド長期投与中の例に起こることが多い。


3)循環器症状

心外膜炎、心筋炎、心内膜炎のいずれも起こりうるが、最もよくみられるのは心外膜炎である。


心外膜炎は、重症であれば心タンポナーデの原因となる。

 

リーブマン・サックス心内膜炎は主として僧帽弁に生じるが、弁膜症になることはなく、まれに認められるに過ぎない。

 

腎症を伴う例では高確率で高血圧を生じ、それに基づく心不全もしばしば認められる。


4)腎症状

糸球体腎炎(時に血管炎や間質病変を伴う)が高率に生じ、ループス腎炎と呼ばれる。

 

無症候性の蛋白尿やネフローゼ症候群を呈することが多い。

 

時に急速進行性腎炎の型で発病することもある。

 

多くの例は数年ないし数十年の経過で慢性腎不全へ進展する。


5)精神・神経症状

痙攣、意識障害などの中枢症状を呈するSLE は予後が悪く、とくに中枢神経ループスと呼ばれる。

 

これらの症状は脳出血、梗塞、くも膜下出血などの血管性病変により生じる。

 

幻覚、妄想、抑鬱などの神経症状もよく認められる。末梢神経では多発性神経炎を呈することが多い。


6)血液学的異常

血小板・赤血球・白血球のいずれの値も低下する汎血球減少を呈する。

 

溶血性貧血(自己免疫性溶血性貧血=AIHA)、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)を示す例があるAIHA とITP の合併する状態をエヴァンズ症候群と呼ぶが、実は本疾患の先行症状であることが多い。


7)呼吸器症状

漿膜炎のひとつとしての胸膜炎は頻度が高い。

いっぽう、間質性肺炎や肺高血圧の頻度はあまり高くない。

 

むしろ起こりやすいのはニューモシスチス肺炎サイトメガロウイルス肺炎である。

 

急性 ループス肺炎や肺血栓塞栓症も起きうる。


8)消化器症状

吐き気、嘔吐、便秘、下痢、腹痛などが起きうる。

 

血管炎による腸管の壊死を生じ、不屈、下血、時にイレウス症状を起こすことがある。

 

特にルポイド肝炎と呼ばれる慢性肝炎が起きるが、特徴的な病理学的変化があるわけではない。

 

本症による膵炎が起こることもある。一方ステロイドの副作用としても膵炎が起きうる。

 

9)発熱


SLE で頻発する症状。

SLE の活動性と大いに関係する。

 

一定の熱型はなく、39℃前後の高熱 が持続するケースもあれば、37℃台の微熱で経過することもある 。


10)眼底


急性期には網膜の綿花状の滲出性病変を生じ、cytoid body またはcotton wool spot (綿花様白斑)と呼ばれる。小出血や白斑も一過性に認められる。


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リダイレクトの警告


【診断】


〈検査所見〉


1)炎症反応

活動期に赤沈の亢進、CRP 陽性、血清α-グロブリンの増加を呈する。


2)血液学的検査 

活動期には2000~3000 と白血球数減少が認められる。症例によっては10 万以下の血小板減少も生ずる。

  • 一般に貧血は軽度であるが、溶血性 貧血をおこすと高度の貧血を生じる。この場合にはクームス試験が陽性となる。

 

3)梅毒反応の生物学的擬陽性

梅毒血清検査に用いられるカルジオライピン・レシチンに対する抗体を生ずるために認められる現象。

梅毒トレポネーマを抗原とする梅毒血清反応は陰性である。


4)検尿

ループス腎炎を生ずると、尿蛋白が持続性に陽性となる。

沈渣はいわゆる望遠鏡的沈渣を呈する。


5)腎機能検査

ループス腎炎が進行するとPSP テスト、クレアチニン・クリアランスなどの低下がみられ、腎不全 に陥ると、BUN や血清クレアチニンの上昇が起こる。


6)免疫学的検査
 ①抗核抗体陽性
②血清補体価の低下
③細胞性免疫:末梢リンパ球のT、B 細胞の減少(活動期には著明)
④組織学的検査:腎生検、皮膚生検
⑤LE 細胞減少陽性
⑥DNA 抗体陽性


【治療】

本症は原因不明のため原因療法はない。

 

SLE の臨床病態は、軽症から重篤なものまで幅広く、その病態により治療法は異なる。

 

急性期の炎症の抑制や鎮静、増悪因子の回避および除去、合併症の予防を図る。

 

治療薬の必要最小量の与薬で長期寛解導入を図ることが治療方針となる。

 

ただ、ステロイドの登場とともに生存率、 生活の質のいずれにおいても劇的に改善した病気である。


〈合併症〉

1)感染症

免疫能の低下によるアスペルギウス、クリプトコッカス、カンジタ、ニューモシスチスーカリニ、サイトメガロウイルス 、結核菌などの感染


2)ステロイド剤の重篤な副作用

消化管穿孔、出血、血栓症など


3)他の膠原病
  • 抗リン脂質抗体症候群
  • シェーグレン症候群
  • 皮膚筋炎
  • 多発筋炎
  • 全身性強皮症

など。


〈予後〉

SLE は寛解と再燃を繰り返す慢性疾患である。

 

まれに自然寛解もみられるが、急激に悪化することもある。

 

現在では治療法の発展により90%以上の患者が10 年以上生存し、多くの患者は比較的症状も安定している。

 

主たる死因は、

  1. 腎病変
  2. 中枢神経障害
  3. 感染症

である。


看護過程


♯1
発熱や疼痛、しびれなどにより安楽を保持できない


長期目標
苦痛が改善される


短期目標
苦痛の原因を理解でき、安静が保持できる


OP
O1 バイタルサイン、熱型
O2 倦怠感、関節痛、筋肉痛など部位と程度
O3 苦痛の頻度
O4 食事や水分の摂食状況、脱水の有無
O5 体力、ADL障害の程度
O6 検査データ(炎症反応、白血球など)
O7 表情、言動


TP
T1 発熱時は冷罨法
T2 医師の指示による投薬
T3 環境整備
T4 安楽な体位の工夫
T5 必要時ADL介助
T6 医師の指示による解熱鎮痛薬の投与


EP
E1 安静度の確認
E2 疾患活動性が治まれば症状は改善することを説明し安心させる
E3 栄養価の高い食事摂取、水分摂取を促す
E4 手洗い、うがい、保清など感染予防方法について指導する


♯2
疼痛など苦痛の増強により休息、睡眠がとれない

 <長期目標
活動と休息のバランスをとることができる


短期目標
睡眠不足が解消し、体力が回復する


OP
O1 症状の出現状況、程度の観察


TP
T1 服薬の時間と量の調節を医師に相談する
T2 患者が安静に入眠できる環境を整える


EP
E1 生活パターンを規則正しく整えるよう指導する


♯3
皮膚症状が改善せず、感染のリスクやボディイメージ障害のリスクを高める


長期目標
皮膚の炎症症状が改善する


短期目標
傷を悪化させることなく維持、改善する方法を身につけることがで きる


OP
O1 皮膚症状の出現部位、種類、程度、疼痛の有無
O2 脱毛の有無、程度
O3 増悪の原因
O4 レイノー現象の持続時間
O5ADL、表情、言動


TP
T1 紫外線曝露などのストレス源を避けるため、窓側のベッドは避ける。蛍光灯も長時間あたらないよう注意する
T2 潰瘍形成時の消毒、薬剤塗布などの処置
T3 保温、保清


EP
E1 治療による改善を説明し、意欲を保持する
E2 日光過敏症がある場合は長袖着用、サンスクリーンの使用を促す
E3 レイノー現象がある場合は寒冷刺激を避けるよう促す

 

♯4
皮膚症状や薬の副作用の影響によりボディイメージが障害される


長期目標
闘病意欲を低下させない


短期目標
精神的な苦痛の緩和方法を習得
できる


OP
O1 ボディイメージの混乱によって意欲の低下が起こっていないかを観察する
O2 皮膚病変や副作用症状に対する受けとめ
O3 疾患や治療に対する受けとめ方、理解の程度
O4 増悪因子
O5 薬物療法の効果
O6 活動範囲、対人関係
O7 食欲、食事摂取量、睡眠状態


TP
T1 適切な処置
T2 保清
T3 外傷、外的刺激予防


EP
E1 治療上必要な薬であることの説明、医師の指示通りの内服が行えて いるかどうか確認する
E2 疾患活動性が治まり、薬の量が減ることで副作用症状は軽減するこ とを説明し意欲を保持する
E3 増悪因子についての説明


♯5
過剰不安や知識不足により適切な治療が継続されない


長期目標
適切な服薬行動によって最大の治療効果が得ることができる


短期目標
疾患や治療について理解し、闘病意欲を損なうことなくセルフケアを行える


OP
O1 症状の出現状況、程度の観察
O2 適切な服薬が継続できているか
O3 生活パターン
O4 疾患や治療の受けとめ、理解度
O5 妊娠希望の有無、妊娠計画

 

TP
T1 医師の指示のもと、正確に配薬する


EP
E1 疾患や治療についての説明
E2 継続的な通院の必要性の有無
E3 副作用や合併症、疾患再燃の徴候などの説明
E4 悪化、再燃予防の行動についての説明
E5 妊娠コントロールに関する情報提供


♯6
安楽の変調、意欲低下などにより自発的なセルフケアが維持、向上できない


長期目標
日常生活を立て直し主体的に生活できる


短期目標
主体的に、かつ安全なセルフケアを習得できる


OP
O1 疼痛やしびれの有無
O2 筋力低下の有無、程度
O3ADL、活動状況表情、態度
O4 疾患や治療に対する受けとめ
O5 セルフケア習得の妨げとなるもの


TP
T1 筋力回復のための運動
T2 痛みなどがある場合は医師の指示により与薬
T3 必要に応じてADL介助


EP
E1 急性期を脱したら体力回復に努め、少しずつ生活を立て直すよう促 す
E2 セルフケア習得の妨げとなるものを把握し、解決策をともに考える


♯7
活動制限や意欲低下により社会との接触が減少し、自身の存在価値 が低下する


長期目標

本来果たしていた社会的役割を果たすことができる


短期目標
社会との接触の重要性を認識し日常生活に結びつけることができる


OP

O1 症状の出現状況、程度の観察
O2 患者の疾患や治療に対する認識の確認
O3 意欲
O4 本来の社会的役割
O5 環境、生活背景


TP
T1 傾聴、対処方法の検討


EP
E1 疾患による制限を認知し、可能な範囲で役割を果たすよう促す
E2 焦る気持ちに配慮しつつ、徐々に進めていけるようペース配分する


♯8
患者、家族が疾患や治療に対する不安、人生設計再編に関する悩み を抱えている


長期目標
家族の不安が軽減され、患者、家族とも心身ともに安定した家庭生 活を送る準備ができる

 

短期目標
精神的安定が保持でき、治療が継続できる

 
OP
O1 疾患や治療に対する受けとめ
O2 表情、言動、態度、ADL、活動状況
O3 睡眠や食事摂取状況
O4 性格傾向
O5 治療の効果
O6 長期闘病生活による意欲の低下が起こっていないかを観察する


TP
T1 環境整備
T2 必要時、医師の指示により与薬


EP
E1 疾患について患者、家族にわかりやすく説明する
E2 必要時、患者会やピアカウンセリングなどの紹介
E3 リフレッシュの促し
E4 不安の表出の促し


【考えられる看護診断名候補と共同問題】


1.安楽障害
2.消耗性疲労、不眠
3.皮膚統合性障害
4.ボディイメージ混乱
5.非効果的治療計画管理リスク状態
6.セルフケア不足シンドローム
7.社会的孤立
8.不安、無力


以上になります!
いかがでしたでしょうか。


全身性エリテマトーデスは、膠原病の一つであります。


そして、慢性疾患の一つでもあります。


慢性疾患であるため、
現代の医療では完治することは難しく、病気とはほぼ一生付き合わなくてはなりません。


慢性疾患に対して肯定的に捉えて元気に過ごす人もいれば、長い闘病生活に疲れ果てて抑うつ状態になってしまう人もきっといることでしょう。


日本は高齢化社会が進み、高齢者が増加していくにつれて、慢性疾患を持つ患者さまも比例して増加してきています。


今後さらにきっと、全身性エリテマトーデスのような慢性疾患の方とお付き合いすることが増えていくことでしょう!


ですから、今のうちに看護師は慢性疾患および難病についての知識をしっかり身につけて最善のケアが提供できるように出来る限り早く準備することをオススメしますよ!


今後も慢性疾患関連の看護過程はどんどん投稿していきたいと思います!よろしくお願いします!

 


おわり
ご意見をお待ちしています(*゚∀゚)