地域看護師のブログ

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11-11.イレウスの看護(病態生理・分類・診断・検査・治療・看護過程)



 みなさんこんにちは。


なすもやしです。


今回の記事のテーマは、腸閉塞(イレウス)。

 

特に、

外科病棟などでよくみられる病態です!

 

外科病棟でなくとも、

便秘の患者さまや、食事面に問題があったり高カロリー輸液を使用している患者さまなども結構イレウスが起きる可能性があります。

 

私が勤める腎臓内科でも、腹膜炎治療中の腹膜透析の患者さまなどにリスクがありますので、油断できません!(;´Д`)

 
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どの診療科でも起こりうる病態ですので、しっかり勉強していきましょう!

 

それでは、早速やっていきましょう!

 

 

イレウスの看護

 

【概念】

何らかの原因で、腸内容物の通過が障害された状態をイレウスという。

 

 【病態生理・病因・増悪因子】

 

機械的イレウス機能的イレウスに大別される。

 

1.機械的イレウス 

 機械的イレウスは、腸管の器質的な変化(物理的に腸が閉塞する)によって起こるものである。

 

機械的イレウスは、

  • 血行障害を伴わない単純性イレウス
  • 血行障害を伴う絞扼性(こうやくせい)イレウス

に分類される。

 

  • 機械的イレウスの約半数は、術後の腸管癒着が原因である。

 

単純性イレウス

原因として最も頻度が高いのは開腹術後の腸管癒着である。

 

 その他は、

  • 鎖肛
  • 十二指腸閉鎖

などの先天的な疾患によるもの

 

  • 胆石
  • 糞石
  • 食餌

など腸管内異物によるものなどが挙げられる。

 

絞扼性イレウス

原因として最も頻度が高いのは、 開腹術後の癒着や炎症生産物による絞扼である。

 

その他は、

  • 腸管の軸捻転
  • 腸重積
  • ヘルニア嵌頓

などが挙げられる。

 

  2. 機能的イレウス

 

 機能的イレウスは、腸管に器質的な変化がなく、腸管壁の運動を支配する神経や、筋の異常によるものである。

 

  •  機能的イレウスの殆どは、腹膜炎を原因とする。

 

 機能的イレウスは、

  • 腸管運動が麻痺して生じる麻痺性イレウス
  • 腸管が痙攣性に収縮し腸内容の輸送が障害される痙攣性イレウス

に分類される。

 

麻痺性イレウス

麻痺性イレウスは、

  • 開腹術後
  • 脳梗塞後

などによる長期臥床時にもよく発生するが、

 

  • 膵炎
  • 胆嚢炎
  • 虫垂炎

など腹膜炎による炎症の波及

 

  • 子宮外妊娠
  • 外傷などによる腹腔内出血

などによっても起こる。

 

痙攣性イレウス

 

痙攣性イレウスは、

  • 胆石発作や腎結石による疼痛
  • 外傷の刺激
  • ヒステリーなどの神経性因子
  • ニコチン、モルヒネなどによる薬物中毒

などにより起こる。


診断・検査値

イレウスの診断ではまず全身状態を把握する音が重要である。


機能的イレウスの分類である麻痺性イレウスなのか、機械的イレウスなのかをまずは鑑別する。

 

さらに、

機械的イレウスと診断されたら、

単純性か絞扼性かを鑑別しなければならない。

 

絞扼性イレウスでショック状態に陥っている状態では緊急を要するため、 診断よりも治療が優先される


また、直腸診も腫瘍の有無や血便の確認には欠かせない診断法である。


腹部単純撮影

イレウスが疑われるとき、まず始めに行うべき検査である。

 

  • 立位と臥位の像の比較が重要である。

 

  • 立位における鏡面形成と、 臥位における小腸ガス像は機械的イレウスに特徴的な所見である。だが、上部空腸での閉塞や小腸ガスの拡張像がないこともある。

 

  • また、小腸ガス像だけでなく大腸ガス像によっても病態を判断する。

腹部超音波検査

腸管内の液帯貯留や腹水の確認ができる。

 

腫瘍性病変の同定などに有効。

 

非侵襲的であり、簡便な検査である。

 

  • 経時的腹部超音波検査は、 手術時期を決定する上で有効な検査法である。

腹部CT検査


超音波検査より客観性がある。

特に、単純性イレウスと絞扼性イレウスとの鑑別に有効である。


注腸造影検査


大腸の閉塞が疑われるときに行われる。


特に大腸癌によるイレウスの診断に有効である。


また、小児の腸重積症では、 診断と同時に整復加療も兼ねた検査法である。


小腸造影検査


イレウス状態でも閉塞を起こさない経口造影剤( ガストログラフィン)を使用し、 閉塞部位の同定と閉塞状況を判定するために行い、 手術適応の決定に重要な検査法である。


検査値


腸管内への腸内容の貯留や嘔吐などによる体液の喪失により脱水状態となるため、赤血球数、 白血球数やヘモグロビン値の増加が認められる。

 

また、 ナトリウム、クロール、カリウムなど電解質の喪失により酸- 塩基平衡の胃常(代謝性アルカローシス)が生じる。

 

尿量は減少し、尿比重の増加が認められる。

 

治療


イレウスの原因と病状によって治療法は異なる。

 


単純性イレウスの治療

絶食・補液加療に加えて、経鼻胃管もしくはロングチューブ(イレウス管) を使用した腸管内容の吸引による保存的治療が主体となるが、 軽快しないときには手術が考慮される。


腸管内異物が原因のイレウスの場合は、高圧浣腸を用いてイレウスを解除することもある。


絞扼性イレウスの治療


結腸軸捻症や腸重積症では注腸造影もしくは大腸内視鏡で整復されることがあるが、絞扼性イレウスでは血行障害を伴うことが多く、 手術時期を逸しないことが肝要である。


手術の場合は開腹してイレウス解除術を行う。

 

麻痺性イレウスの治療

腸管麻痺の原因により治療法が異なる。


腹膜炎が原因の場合には腹膜炎の治療に準じ開腹術が行われることもあるが、通常は経鼻胃管による腸管内容の吸引と、 腸蠕動亢進薬による薬物治療が主体となる。


使用される薬剤は

  • ネオスチグミン
  • パンテノール
  • ジノプロスト
  • メトクロプラミド
  • 大建中湯

などの薬剤が用いられることが多い。

 

痙攣性イレウスの治療

 

痙攣性イレウスは、原因疾患の治療が重要となる。

 

胆石発作や腎結石による疼痛、外傷の刺激、

ヒステリーなどの神経性因子、ニコチン、モルヒネなどによる薬物中毒などが原因となり、症状を取り除くことで治療を行う。

 

【症状】

  • 腹満感
  • 嘔吐
  • 腹痛
  • 脱水

 

 

看護計画

 

#1 不安

 

看護目標

手術の必要性を理解し、手術前の準備ができる


観察計画

① 言葉による表現、表情、態度の表れ方
② 不安の内容と程度
③ 睡眠状況
④ キーパーソンの有無
⑤ 家族間のサポートシステム(家族構成と役割、社会的立場、信頼してくれる人


ケア計画

① 落ち着くまで患者と共にいる
② ゆっくりと静かに話す
③ 今、ここに焦点を合わせた会話をする
④ 共感的な理解を伝える
⑤ 本人と共に活動し成就出来る計画を立てる
⑥ 信頼関係を確立できるような関わりをする
⑦ 患者の感情を表現出来る様に援助する
⑧ 手術前の医師の説明に対する理解度をアセスメントする
⑨ 手術オリエンテーションを行う
⑩ 手術オリエンテーションの理解度をアセスメントする
⑪ 今後の指導、支援の必要性を評価する

 


教育計画

① 病気や治療に関して理解しやすい言葉で指導する
② 不安、不明な事があれば医療者に伝えるよう指導する

 


♯2 術後合併症


 看護目標

1.術後の合併症を起こさない
2.術後の苦痛が緩和する
3.早期に離床できる


 
観察計画

①手術中の状態
・診断名・術式・麻酔法・出血量・輸液・輸血量・ドレーン挿入の 有無・バイタルサイン
②一般状態
・顔色・チアノーゼ・四肢冷感・悪心、嘔吐の有無
③バイタルサイン
④麻酔覚醒状態
⑤創部よりの出血の有無
⑥胃管カテーテルからの排液の量と性状
⑦腹腔内ドレーンからの排液の量と性状
⑧創痛の有無と程度
⑨喀痰出状況
⑩腹部症状の出現の有無・疼痛・膨隆・緊満・排ガス・腸雑音
⑪尿量・比重
⑫検査データー・血算・電解質・血液ガス・X 線検査所見など


ケア計画

①酸素吸入の管理
②バイタルサインの測定
③保温 電気毛布等を準備する
④各種ドレーン、胃チューブの管理
⑤深呼吸を促す
⑥痰喀出を促す
⑦輸液・輸血の管理
⑧水分出納のチェック
⑨体位交換、安楽な体位の工夫
⑩早期離床を促す
⑪疼痛時医師の指示による鎮痛・鎮静剤の投与
⑫包帯交換の介助


教育計画

①精神的慰安と激励に努める


#3 清潔保持困難

 

看護目標

清潔を保持できる


観察計画

① 入院前の生活習慣について情報収集する
② 疼痛の部位、時間をアセスメントする
③ 疲労の程度をアセスメントする
④ 身体可動性の程度、麻痺の有無を観察する
⑤ 安静度を確認する
⑥ 筋力の低下、麻痺の有無を観察する

⑦ 自力で行える部分と介助を必要とする部分についアセスメントする
⑧ 疼痛が増強する体位や状況を観察し、安楽な状態をアセスメントする
⑨ 皮膚の状態を観察する


ケア計画

① 安楽な体位を整え、ケアを実施する
② 自己で行える部分は行ってもらうように促し出来ない部分は介助する
③ 疼痛増強時や気分不快時は患者と相談し、必要最小限の清潔保持を行うか、時間をずらして症状軽減時に行う


教育計画

① 時間がかかっても自己で清潔を保つ事が出来る様に指導していく
② 自己で行えない部分は介助する事を説明する
③ 麻痺がある場合のケア方法について指導する
④ 入浴、シャワー前にはナースコール位置を説明し、何かあれば呼ぶように説明する
⑤ ケア中に気分が悪くなったら遠慮せず看護師に知らせるように話す


【考えられる看護診断名候補と共同問題】


1.不安
2.疼痛
3.呼吸機能の変調のリスク状態
4.感染のリスク状態
5.入浴/清潔セルフケア不足

 
 以上になります!

いかがでしたでしょうか。

 

イレウスとひとくちに言っても、

 

大きく分けて2つのイレウスの分類があり、さらに1つの分類につき2種類のイレウスが存在します。

 

そして1種類のイレウスごとに原因、治療法が変わってきます。

 

1種類ごとにイレウスの知識を整理し、早期発見に努めていきましょう!

 

特に、

開腹術後腹膜炎発症時

イレウスを引き起こすリスクが高くなります!覚えておきましょう!

 

おわり

ご意見をお待ちしています。