地域看護師のブログ

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17-6.摘便【手順・注意点・合併症・必要物品】



みなさんこんにちは!

 

なすもやしです。

 

今回は看護技術の記事になります。

 

在宅看護の道を歩んでからというものの、病院とのフィールドのギャップの大きさに驚かされる毎日です^_^;

 

病院での常識は、他では全然通用しないんですよね…^_^;

 

ゼロからのスタートで毎日頑張っております!応援していただけると泣いて喜びます。ぜひよろしくお願いいたします!

 

ところで、

病院に勤めていた時と比べて圧倒的に頻度が増えた看護技術があります。

 

 

摘便です。

 

 

病院では24時間体制で患者さまを看ることができますが、在宅療養における訪問看護では、主に週に2,3回の訪問になることが多いのです。

 

ですので、訪問した日に「今日で3日便が出てないです。」と訴えがあれば、「うーん、まぁ明日までは様子見てみましょう(^o^)」と安易に考えることはできません。

 

次回訪問日まで、そのままずっと排便が出てなかった、なんてパターンも大いに可能性があります。

 

実際にそうなってしまった事例もある、と先輩も言っておりました。

 

 

最悪な場合だと、腹痛・嘔吐などを生じてしまい、受診したら腸閉塞だった…

 

そして緊急入院…

 

というケースも少なくないようです!

 

便秘ひとつに関しても、甘く見てはいけないということですね(^o^)

 

排泄パターンをアセスメントすることは、看護理論にもありますし、看護師の責務としてきっちり管理していきたいものです。

 

というわけで、今回も一緒に勉強していきましょう!

 

 

 

摘便(手順・注意点・合併症・必要物品)
 
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不適切な摘便のやり方ですと、本当に必殺しかねませんので、確実なやり方で優しく行うようにしましょう!

 

必要物品

  • 使い捨て手袋
  • ビニールエプロン
  • 潤滑剤
  • 防水シーツ
  • 差し込み便器または紙おむつ
  • トイレットペーパー
  • 掛け物(バスタオルまたはタオルケット)
  • ビニール袋
[必要時]
  •  新聞紙
  • シャワーボトル
  • 石けん
  • タオル、ガーゼなど


手順

 
1.
患者の排便状況、バイタルサイン、腸蠕動音、腹部膨満の状態を確認する。

  • どの程度便が貯留しているか目安をつける。処置が可能な状態か確認する。
  • 迷走神経を刺激する可能性があるため、不整脈または心疾患の既往歴をもつ患者はより大きなリスクがある。

 

2.
医師から摘便の指示が出されているか確認する。

  • 肛門の異常や易出血傾向にある場合、処置ができないことがある。

 

3.
患者本人であることを確認する。施設の基準に従い複数の患者識別法を用いて行う。

  • JCI(Joint Commission International)では国際基準として2種類の患者識別法を用いた確認方法を推奨している。

 

4.
目的を説明し同意を得る。

 

5.
カーテンを閉め、羞恥心に配慮しプライバシーを保護する。

  • 羞恥心を軽減させ、処置中の安楽を促進する。
  • においを伴うため換気にも配慮する。

 

6.
ベッドの高さを調節して看護師が処置しやすい高さにする。側臥位で行う場合は安全に配慮し、患者が向く側のベッド柵が上がっていることを確認する。処置しやすいように看護師側のベッド柵を外す。

  • 看護師の作業野を確保することにより、姿勢による負担が少なく、スムーズに処置を行える。

 

7.
プライバシーに配慮しながら患者の寝衣、下着を下げ、患者が側臥位または臥位をとれるように必要に応じて介助する。

  • 必要に応じて安楽物品(クッションなど)を使用する。

 

8.
掛け物を患者の体幹と下肢に掛けて保温に努める。

  • 羞恥心への配慮と保温のため、露出は最低限にする。

 

9.
患者の腰の下に防水シーツを敷く。

  • 衣類やベッドシーツの汚染を防止する。

 

10.
差し込み便器を患者の近くに置く、もしくは紙おむつを肛門部の下に敷く。


11.

手指衛生を行い、使い捨て手袋、ビニールエプロンを装着する。利き手には、破損時の感染・汚染予防のため手袋を二重に装着する。 

  • 便塊を掻きだす際に破れやすい。

 

12.
潤滑剤を利き手の示指に多めに塗布する。

  • 肛門や直腸壁の損傷を予防する。潤滑剤が足りないと、すべりが悪く患者の疼痛も強くなる。

 

13.
患者に口でゆっくり深呼吸をさせる。

  • 口を開けて頸部の筋肉を弛緩させることにより、患者がリラックスでき、下腹部や肛門括約筋の緊張がとれるため、指を挿入しやすくなる。

 

14.

ゆっくりと示指を直腸壁に沿って挿入する。

  • ゆっくりと挿入することにより肛門括約筋が弛緩しやすくなる。

 

15.
便塊が大きいときは少量ずつ掻きだすようにする。

  • 急激な便の排出によりショック症状を起こす危険性がある。また一度に多くの便を排出しようと指を過度に屈曲することにより指が直接直腸粘膜に触れ、刺激する範囲を拡大してしまい、患者に苦痛を与える。
  • 肛門部への刺激が大きいと肛門部裂傷や直腸潰瘍が生じる可能性があるため、出血の有無を確認しながら行う。


16.
掻きだした便は用意した便器または紙おむつに入れ速やかに蓋をし、まわりに臭気が漏れないように配慮する。

  • 患者の羞恥心に配慮し、ほかの患者にも不快感を与えないようにする。

 

17.
適宜、患者に気分不快の有無などを確認し、休息を挟みながら行う。

  • 処置により疲労を伴う。迷走神経の刺激で徐脈や不整脈を引き起こすことがある。
  • 心拍数の低下や、不整脈がみられた場合は直ちに処置を中止し医師に報告する。

 

18.
直腸下部の硬い便が掻きだされると自然排便が可能な場合もあるため、少し力ませながら行う。仰臥位の場合、膝を立てて両脚を少し開かせてから力ませると便が下降して掻きだしやすくなる。

  • 上部に残留している便を排出する。

 

19.
摘便が終了したら、肛門についた便をふき取り、利き手の汚染された使い捨て手袋を外す。必要時、陰部洗浄を行う。

  • 汚染の拡大を避けるため、陰部洗浄前に使い捨て手袋を交換する。肛門周囲を清拭する場合、軽く圧迫するように愛護的に実施する。

 

20.
使い捨て手袋、ビニールエプロンを外して、手指衛生を行う。患者の衣類を整え、掛け物を掛ける。必要ならばトイレに誘導する。

 

21.
一般状態を確認する。

  • 心拍数の低下や、不整脈がみられる可能性もあるため、必要時バイタルサインの測定も行う。

 

22.
再び使い捨て手袋、ビニールエプロンを着用する。便の性状を確認し、使用した物品を適切な方法で片付ける。

 

23.
使い捨て手袋、ビニールエプロンを外し手指衛生を行う。

 

24.
処置の内容と結果をカルテに記録する。

 

以上になります!

いかがでしたでしょうか。

 

摘便は、便秘時における排泄ケアとして、薬を使わずに高い効果を発揮します。

 

ただし、摘便には大きな苦痛を伴い、合併症のリスクもあります。

 

まとめますと…

  1. 気分不快

     

  2. 疲労
  3. 疼痛
  4. 羞恥心
  5. 迷走神経反射
  6. 肛門裂傷
  7. 潰瘍形成
  8. 出血

などが起こる可能性があります。

 

摘便の際には、

  • 苦痛の軽減
  • 合併症への注意

この2つを必ず意識して行いましょう!

 

おしまい

 

ご意見をお待ちしています。