地域看護師のブログ

在宅看護について、つらつらと綴ります。

訪問看護師による白血球破砕性血管炎の潰瘍に対するケア



白血球破砕性血管炎によって下肢に潰瘍を生じたため、下肢処置で訪問している方がいる。

血管炎は、大型、中型、小型の3つの血管炎があり、
白血球破砕性血管炎は、小型血管炎の一つである。

小型血管炎は大きく分けると2つある。
ANCA関連血管炎と、免疫複合体性小型血管炎である。

そのうち、白血球破砕性血管炎は、免疫複合体性小型血管炎の一つである。

免疫複合体性小型血管炎は、そこからさらに数種類に分かれる。
その中の2種類が、およそ6割の免疫複合体性血管炎である。

一つはIgA血管炎。

そしてもう一つが白血球破砕性血管炎である。

尿検査、皮膚生検、腎生検等の検査を行い、IgAや腎機能低下がみられなければ、白血球破砕性血管炎の診断となる場合が多い。

つまり、色々検査した結果、ほかの血管炎の診断がつかなかった時に、この白血球破砕性血管炎の診断がつくというパターンもある。

あとあとになってから、皮膚生検でIgAが認められたり、腎機能低下が起こってくる場合もあり、その場合は他の血管炎の診断が改めてつくこともあるため、安心はできない。

白血球破砕性血管炎は、免疫複合体(抗原、抗体、補体の複合体)が原因となり、小さな動脈や静脈、毛細血管に炎症が起こる。

しばしば下肢に起こり、血管炎の周囲の皮膚を巻き込んで炎症になることで、血管が狭窄して虚血のような状態になり、皮膚や組織を障害する。

そして、紫斑、紅斑、水疱、膿疱、結節、びらん、丘疹、潰瘍等を生じる。

私の訪問している方は、左下肢のみに症状が出ているが、症状は重い。

脛部に3か所、下腿に5か所、内果付近に2か所、外果付近に3か所。いずれも潰瘍であり、大小さまざまである。

はじめはいずれの潰瘍も浸出液が多く、一部は黒色壊死を引き起こしていた。

特指示で訪問開始。

ブロメライン軟膏で壊死組織の除去を図っていたが、外用薬の刺激が強かったのか疼痛が強く、処置前の放置も長かったのか、そのうちに潰瘍から緑色の浸出液が認められ始めた。

ロキソニンで鎮痛を図りながら、おそるおそる処置を継続。

およそ処置開始から2週間経った頃に黒色壊死が概ね除去されたため、ゲーベンクリームに変更となる。

その後は緑色の浸出液はみるみる減少し、2-3日で消失した。おそらく緑膿菌だったのだろう。

たいていの状況ならば、このレベルの潰瘍の治療には入院加療を要するだろうが、本人は頑なに入院は嫌がっている。

もし入院した場合、おそらく正月にかかって家で年を越せなくなる可能性も高い。

あえて尋ねなかったが、本人もそういう気持ちがあったと思う。


 連日の処置を頑張った結果、本当に、少しずつ潰瘍が改善していった。

12月初旬には黒色壊死は消失。中旬には黄色壊死組織がそこそこに除去され、今後のデブリや清潔保持の徹底、別の部位での血管炎に伴う下肢症状さえ起らなければ、順調といえる状況になってきた。

明日は受診。

そこでデブリをして、特指示と介護保険での訪問を駆使して毎日こつこつ処置していけば、正月頃には大分状態は良くなるかな…。ただし、1割負担とはいえ毎日処置をすれば、訪問看護の費用はかなり高くつく。

病院加療の質を越えた看護が求められる…

とはいえ、完治まではあと2-3か月はかかるだろうか…。

血管炎に対する治療はアンテベート+プロペト外用のみで、ステロイドの内服は処方されていない。

なので、今後新たな皮膚症状の発生確率も、低くはないのだろう…。

とにかくできることをやるしかない。

残りの2019年。

在宅療養のみなさまが、自分らしく、お家で新たな年越しを楽しく過ごせますように!
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