今日はナースカンファレンスの時間を使って、1年目看護師さんに『肺聴診』のやり方について勉強会を行いました(・∀・)
諸々の本を参考にしてはおりますが、資料は私のオリジナルの文章でまとめたものになります
内容をまんま記事にしたいと思います!
( ´∀`)
- ・肺聴診とは
- ・肺で生じる音とは
- ・音の何を聴くのか
- ・肺聴診はむずかしい
- ・呼吸音の種類
- ・肺聴診のやりかた
- ・副雑音
- ※1.3が聞こえた場合、既往、呼吸苦など必ず確認しましょう
- ※2.4が聞こえた場合、1.3ほどは注意して聴取する必要性はありません
- ・間違えやすい音
- ・気胸
- ・肺聴診と合わせてみたい観察項目
- ・必要時に行う援助
・肺聴診とは
体で生じる音を聞き取り、内部の変化を判断する方法
・肺で生じる音とは
肺の中(気管)を空気が通る音
口笛などの原理と同じ
・音の何を聴くのか
1.『音の高さ(低さ)』
表現:高調音、低調音など
2.『音の強さ(弱さ)』
表現:明瞭、微弱など
3.『音の長さ(短さ)』
表現:連続性、断続性
4.『音の性状(ヒューヒュー、プツプツなど)』
表現:水疱音、捻髪音など
・肺聴診はむずかしい
なぜなら、
・心臓の音も聞こえるから、ややこしい。
・本人が喋っていたり、唸っていたり、泣いていると聞こえにくい。
でも、音は溶けません!
ひとつずつ注意して聴けばOK!
・呼吸音の種類
1.気管支呼吸音
(聴取部位:鎖骨より上の気管のところ)
※吸気より呼気の方がよく聞こえる
2.気管支肺胞呼吸音
(聴取部位:鎖骨より下の胸郭あたり)
※吸気と呼気は同じくらいの大きさで聞こえる
3.肺胞呼吸音
(聴取部位:1.2以外の胸部)
※呼気より吸気の方がよく聞こえる
・肺聴診のやりかた
鎖骨中線の部位に、膜の方で聴診器をあてる
左右対称に、下へと降りながら聴いていく
じっくり聴きたい場合、胸部側面や背部も聴く

肺下葉は背部からの方が聴こえやすいです
(画像では背面の4〜8の部分)
・副雑音
4種類ある
1.持続性高調音(ウィーズ)
ピーーッ…みたいな音
気管支喘息でよく聴かれる
2.持続性低調音(ロンカイ)
グググググ…みたいな音
COPD、睡眠時無呼吸症候群、痰がらみでよく聴かれる
3.捻髪音(ファインクラックル)
パリパリパリみたいな音
間質性肺炎、肺線維症でよく聴かれる
4.水泡音(コースクラックル)
ガラガラ、ブツブツみたいな音
肺水腫、痰がらみでよく聴かれる
※1.3が聞こえた場合、既往、呼吸苦など必ず確認しましょう
気管支喘息や間質性肺炎が考えられます
各勤務帯で継続して聴診しましょう
副雑音の大きさや範囲が改善しているか、悪化しているか分かるように記録しましょう
※2.4が聞こえた場合、1.3ほどは注意して聴取する必要性はありません
痰がらみかもしれませんので必要時は吸引しましょう
痰が取れない場合は、体位ドレナージをためしてみましょう
また、SpO2の数値に注意しましょう
SpO2が低下している状態で無理に吸引し続けるのは危険です
・間違えやすい音
胸膜摩擦音
聴診器と胸の当たるところの摩擦で「ズズズ」という音がする
→ピタッと聴診器を当てましょう
衣擦れ
服が聴診器や胸にあたって「ズズズ」という音がする
→聞こえづらければ衣服を脱がしましょう
・気胸
もし片側の胸部で明らかな肺の複雑音や『共鳴音』とよばれる金属音のような音が聞こえる場合、「気胸」を起こしている可能性が高い
・肺聴診と合わせてみたい観察項目
呼吸数、呼吸苦の有無、表情、Spo2、チアノーゼの有無、意識レベルなど
・必要時に行う援助
酸素の増量、開始
体位の調整
安静を促す
吸引を行い痰を除去する
血液ガス採血の採取
など
検査がすぐに行えない夜間や、緊急の時には有効な観察ができる場面が結構あります!
適切な肺聴診ができるようになることで、少しでも患者さまの体調悪化の早期発見に努められるようになりましょう!
以上になります(´・ω・`)
腎臓内科は病態が複雑なせいか、はたまた必要性が少ないのか、うちの病棟ではフィジカルアセスメントが結構適当になってしまってる感があります( ;∀;)
教育担当者としては涙目なので、これから1年目看護師さんをビシバシ指導していく予定です!(๑•̀ㅁ•́๑)
あと、もし間違って教えてしまっている所などあれば、ご指摘頂きたいです(´・ω・`)
ご覧になっている方の感想を心よりお待ちしています( ´∀`)