前回記事の続きです。
コチラの記事も是非ご覧になってください!(*´∀`)
血液透析で行う「除水」とは、
血管内から水分を引き出すことです。
多い時には、
4〜5kgの除水を行うこともあります!
また、人間の血液量は、
体重の13分の1の質量であるといわれています。
例えば65kgの人であれば5kgが血液量となります。(65kg÷13=5kg)
つまり、もし4〜5kgの除水を行った場合、
1回の血液透析で、血管内にある血液量とほぼ同等の水分を引き出していることになります!( •̀ㅁ•́)
ですが、ドライウェイトが適正かつ除水速度が速すぎなければ、血圧は低下することはありません。
自尿がない透析患者さまは、血管内にある水分量が一定量を超えると、水分は間質を通って移動し、細胞内に溜まります。
この細胞内に水が溜まった状態を「浮腫」とよびます。
血液透析によって血管内の水分が引き出されると、細胞内に溜まった水分は浸透圧によって間質を通り、血管内へと再び戻っていきます。
この水分の移動を「血漿再充填(けっしょうさいじゅうてん)」とよびます。
血管内へと戻ってくる水分の量が除水量を上回れば、循環血液量が保たれるため、透析中に血圧低下が生じることはありません。
しかし、前回の透析から次回の透析までの間に、飲水量が多かったり食べ過ぎたりすると、体重が大きく増加してしまいます。
体重の増加が著しく、透析時間が短い場合は、時間あたりの除水量が多くなってしまいます。
すると、血漿再充填の速度よりも除水速度が上回り、循環血液量を保てずに血圧低下が起こりやすくなります。

また、筋肉の量が少なくなると、透析中に血圧低下を起こしやすくなるといわれています。
筋肉には血管と血液が豊富にあり、筋肉の重さの約70%が水分であるとされています。
このことから、筋肉は、皮下脂肪などに比べて血管内に水分が移動しやすいのです。
筋肉が減少すると、血管外の水分の多くは皮下脂肪に貯められるようになります。
皮下脂肪は、血管内への水分の移動が起こりにくいため、血漿再充填の速度は遅くなります。
したがって、血圧低下の原因となるのです。
さらに、血漿再充填は血清アルブミン濃度にも関係しています。
血清アルブミン濃度が低いと、血漿膠質浸透圧(血管内に水分を引き寄せ、血管内外の血漿の濃度を一定にする力)が低下します。
するとやはり、血漿再充填の速度が遅くなり、血圧低下の原因となります。
ここでのポイントは、
透析中の血圧低下の仕組みを理解することです!
すると、
血圧低下の予防のために必要なことが何なのか、というのが段々と分かっていきます…(・∀・)
次回は、
透析中の血圧低下への対応について記事を挙げたいと思います(*´∀`)
以上!
みなさんのご意見をお待ちしています。