2.栄養/代謝パターン
みなさん、お疲れ様です!
看護師の臨地実習にてよく使われている
マージョリー・ゴードンの看護理論から、
- 情報収集の目的
- 情報収集のポイント
- ポイントごとに注目する視点
- 情報収集の質問の例
以上の4点について、まとめています!
今回は、
2.栄養/代謝パターン
についてまとめておりますっ(゜∀゜)
このパターンは測定できる情報が多いため、情報収集は難しくないものの、その情報量たるやほかのパターンと比べても非常に多いです。
一気に情報収集・整理をするのは結構な時間と体力を使いますので、優先順位の高いものから少しずつ行っていきましょう!
(∩´∀`∩)
看護過程に取り組んでいる看護学生さんにとって、この記事が少しでも手助けとなることを願っております。
では、やっていきましょう!
食物と水分が有効に吸収・代謝されなかった場合の例。
正直、病院ではこのような人相は珍しくないです
2.栄養/代謝パターン
情報収集の目的
- 食習慣と代謝に必要な関連情報を集めることによって、身体がどのくらい効率よく食物を摂取・消化・吸収・代謝できるかを知る。
- 栄養の代謝により、どの程度の組織保全と体液・電解質のバランスを維持し感染と戦うことができるかを知る。
留意点
- 通常摂取する食物と水分、通常の食事パターンの変調がどのように日常生活に影響したかに注目する。
- また、栄養状態が二次的に医学的問題に進展したかなどに注目する。
- ストレスの解消方法として、食事の過剰摂取、偏食、間食、食事を取らないなどの行動があるのかないのかをアセスメントし、ある場合はコーピング・ストレスとする。
情報収集のポイント
- 食事状況
- 食欲
- 偏食
- 食事療法
- 口腔内の異常・衛生状態
- 一日の水分量
- 間食習慣
- 皮膚の状態
- 身長・体重
- 体温
- ストーマ、カテーテル
1-1.注目する視点(食事状況)
・通常の食事パターンはどうか
・食事の変調がどのように日常生活に影響したか
1-2.質問の仕方の例(食事状況)
・ 普段の日にどのような物を食べているか教えてください
・ 平均的な一日の朝食・昼食・夕食の内容と食事量について教えてください
・ 一日の食事を抜いたり追加することがありますか?
・普段何時頃に食事を取りますか?
・ 食事を決まった時間に取ることが難しいですか? それはどうしてですか?
・味付けはどのようなものが好きですか?
(薄味・濃い味・辛い味など)
2-1.注目する視点(食欲)
・普段とくらべ変化があるかどうか
・食欲低下の原因は何か
例)手術の既往、服用している薬、アレルギ
ー、嘔気・嘔吐、疲労感、口腔内の異常、胃腸障害、消化不良、嚥下障害、身体の痛み、精神的変化など
2-2.質問の仕方の例(食欲)
・普段と比べて食欲はどうですか?
・食欲が低下している原因は何だと思いますか?
・食事はおいしく食べられていますか?
3-1.注目する視点(偏食)
・ 食物、飲物の好き嫌いが栄養のバランスに影響しているか
・成長発達に及ぼす影響があるか
・栄養の知識があるかどうか
・宗教上の食事の制限があるかどうか
3-2.質問の仕方の例(偏食)
・偏食はありますか?
・ 食べ物・飲み物の好き嫌いはありますか?
それは何ですか?また、それはどうしてですか?
・ 栄養が偏っていると思いますか?
それはどんなところですか?また、それはどうしてそう思いますか?
・ 脂肪や砂糖または塩分のいずれかを取りすぎていると思いますか?
・宗教に関連して食べない物がありますか?
4-1.注目する視点(食事療法)
・食事療法に対する理解はどうか
・ 食事療法をどのように食生活に取り入れて
いるか
・調理する人は誰か
4-2.質問の仕方の例(食事療法)
・何か食事療法を行っていますか?
・食事療法の内容を教えてください
・食事の支度をするのは誰ですか?
・ 食事療法でどんなことに気をつけていますか?
・食事療法を受けた事がありますか?
5-1.注目する視点(口腔内の異常・衛生状態)
留意点
- 口腔内の異常が食事の内容量・食欲に影響を及ぼすことがある。
- 口腔内とは、舌・味覚・口腔粘膜・歯肉・歯・咽頭・喉頭蓋・下顎までをいう。
・ 噛んだり、飲み込んだり、食事を楽しんだりするのを妨げるような異常があるかどうか
・個人衛生の状況はどうか
・義歯を使用しているか
・義歯の不適合はないか
5-2.質問の仕方の例(口腔内の異常・衛生状態)
・ 喉や舌、歯肉などの口の中に痛みや不快感はありますか? それはどこですか?
・ 食物を噛んだり飲み込んだりするとき、むせたり、喉につかえることがありますか?
・ 食物の味がおかしいと感じる事がありますか?
・入れ歯を使用していますか?
・入れ歯に関して不都合なことがありますか?
6-1.注目する視点(一日の水分量)
・ 皮膚の状態と関連つけて水分摂取状況は
どうか
6-2.質問の仕方の例(一日の水分量)
・ 水分は一日どんな物を、どれくらい飲んで
いますか?
7-1.注目する視点(間食習慣)
・現在の摂取パターンはどうか
・ 栄養に関する知識があるかどうか
7-2.質問の仕方の例(間食習慣)
・間食をしますか?それはいつ頃取りますか?
・間食はどのような物をどれくらい摂りますか?
・ 普段の一日の食事内容と食事量について
教えてください。
・普段何食食べていますか?
・主食はご飯ですか?パンですか?
量はどれくらいですか?
8-1.注目する視点(皮膚の状態)
・視診と触診によって色・張り・浮腫・発汗・損傷皮膚の傷はどうか
・過去の損傷の有無はどうか
・ 皮膚硬結・傷跡があるかどうか
・髪と爪の手入れはどうか
・褥創があるかどうか
褥創のステージはDESIGN を使用する
・リスクの判定にブレーデンスケールを使用する
8-2.質問の仕方の例(皮膚の状態)
・皮膚の状態で気になることはありますか?
・皮膚に傷はありますか?それは何時からですか?
・皮膚に傷をつけたときすぐに良くなりますか?
または治りにくいことがありますか?
・皮膚が油っぽかったり、乾燥したりしますか?
・髪の毛と爪の状態について教えてください
・髪の毛が油っぽかったり、乾燥したりしますか?
・ 爪の変化がありましたか(色・ひび・形・線など)
・髪の毛や頭皮の保護剤を使用していますか?
・床ずれはありますか?
9-1.注目する視点(身長・体重)
留意点
- 心理的な食欲不振症の患者の場合、社会面を含めたトータル的な原因を探る必要がある。
・ 栄養状態はどうか
BMI(body mass index)算出
BMI(体容量指数)=体重Kg/(身長m) 2
20≦正常≦24
・標準体重はどれくらいか
標準体重IBW=[身長(m)]×22
IBW(ideal body weight)
・標準体重範囲外の原因は何か
例)日常生活の活動(生活活動強度の区分)
運動の有無・食事量や内容・精神的変化
・最近の体重の増減はないか
・体重に対し誤った知識はないか
9-2.質問の仕方の例(身長・体重)
・最近体重の変化がありましたか?
それはどうしてですか?
思い当たることがありますか?
・ あなたの理想体重はどのくらいだと思いますか?
・自分の体重に満足していますか?
・体重を増やしたり減らしたりするために何かしていますか? それはどのようなことですか?
・過去3ヶ月間に体重の変化がありましたか?
1年では、5年ではどうですか?
・体重を測る習慣はありますか?
[ストーマ・カテーテル]
*ストーマの定義:消化管や尿路を人為的に体外に誘導して増設した開放孔である。
前者を消化管ストーマ、後者を尿路ストーマという。
※ 留意点:ストーマの定義は上記であるが、当院では排泄という概念でとらえるのでは
なく、皮膚の概念でとらえた。
:ストーマの定義に胃瘻が含まれるが、カテーテルが挿入されていることによる
組織統合性のアセスメントデータとして考えた。カテーテルの種類は限定しない。
10-1.注目する視点(体温)
・熱型はどうか
・体温の異常をきたす原因は何か
(疾患・治療・内的外的状況・発達因子)
・高体温の原因は何か
・低体温の原因は何か
・高体温・低体温に寄与する誘因は何か
10-2.質問の仕方の例(体温)
・普段の体温はどれくらいですか?
・体温が高い(低い)のはいつからですか?
11-1.注目する視点(ストーマ、カテーテル)
*ストーマの定義
- 消化管や尿路を人為的に体外に誘導して増設した開放孔である。
- 前者を消化管ストーマ、後者を尿路ストーマという。
留意点
- ストーマの定義は上記なわけですが、私流として、ストーマを排泄という概念でとらえるのではなく、皮膚の概念としてとらえています。
- ストーマの定義には胃瘻が含まれていますが、カテーテルが挿入されていることによる組織統合性のアセスメントデータとして解釈しています。
・自己管理状況と対処の仕方はどうか
・設置範囲の皮膚に異常があるかどうか
その原因は何か
・感染の危険性があるかどうか
11-2.質問の仕方の例(ストーマ、カテーテル)
・ストーマ・カテーテルの交換は誰が行いますか?
・交換はうまくできますか?
・周りの皮膚が赤くなったり、ただれたりしたことがありますか? その原因は何だと思いますか?
・皮膚が赤くなったり、ただれたりした場合どのようにしますか?
以上になります!
いかがしたでしょうか。
栄養/代謝パターンで看護問題が生じる患者さまは、身体面にたくさんの異常を抱えている場合が多いと思います。
身体そのものは、物理的に体から取り入れている食べ物や水分などから出来ているわけですから、そこに異常があることは、そのまま生命の危険に直結する可能性だってあります。
看護次第で、人を生かすこともあれば、死に至らしめることもあることもまた事実です。
看護の本領を発揮し、
患者さまに活力のある体が保たれるように全力でサポートしていきましょう!
おわり
ご意見をお待ちしています。