みなさんこんにちは。
なすもやしです。
さっそくですが、
今回は、
在宅での発熱時の対応
について勉強します。
発熱
というのは、
緊急時の状態の代名詞
みたいなもんですよね。
とりわけ在宅では、
- 指示がない(○℃なら○○する とか)
- 薬がない(カロナールとか)
- 道具がない(氷枕とか)
- 同じ職者がいない
- 往診の体制もない
といった状況のなかで
対応する場合が多いです。
その場で
なんとかしないといけないのです。
( ´-`)
よって、訪問看護師には
知識、技術は不可欠。
もちろん管理者に相談すればよいのですが、
管理者が不在という時もあります。
ですから、
1人で判断して対応する知識・技術は不可欠。
二度言ってしまったぁ( ´∀` )b
そういうわけで、
言い訳無用で必要な知識ですから、
また、勉強し直した次第です( >Д<;)
まぁ、発熱というでかいテーマなので
内容はまだまだあっさりですが…
自信がない方はぜひ読んでねっ
( ≧∀≦)ノ
でも、時には冷やそうな(´・∀・`)
では、やっていこう!
在宅での発熱時の対応
1.まずはうつ熱を判別する
うつ熱 とは
外部環境による発熱である。
原因としては、
- 気温の高値
- 衣服
- 毛布などの掛けもの
によって生じる。
高齢者は、
体温調整能力が低下するため、
暑さや寒さを認識しづらい。
よって、うつ熱になりやすい。
小児も、
体温調整能力が未発達のため
うつ熱になりやすい。
うつ熱の特徴は、
発熱の原因が外部であるために体の熱放散が促進されることである。
それにより、末梢の深部体温が上昇する。
(感染などの場合、
発熱の原因が内部であるため、
原因を体内から除去するために熱放散が抑制される。
それにより、末梢の深部体温が低下する。)
うつ熱の治療には、
冷却を行うことで、
熱の放散を促す。
冷却の方法には、
- 氷枕や保冷剤を当てて直接冷却する
- エアコンで室温を調整する
- 窓を開けて室温を調整する
- 扇風機による通風で冷却する
- 衣服を薄手や風通しのよいものに替える
- 掛けものを減らす
などがある。
在宅の場合、
療養者・援助者・家族の誤った室温管理によって、うつ熱が起こることがある。
在宅での室温管理は、
- 家屋の環境
- 経済面
- 価値観
などによって、さまざまに変化する
ということを意識しておくとよい。
2.平熱と比較する
体温は個人差がある。
よって、平熱と比較して判断するべきである。
平熱とは、
平常時の体温である。
平熱よりも、
1.1℃以上上昇した場合、
体温調整機能に何らかの原因が影響を与えていると判断する。
したがって、発熱を疑う。
3.随伴症状を確認する
発熱の多くは熱以外の症状を伴う。
これを随伴症状とよぶ。
随伴症状により、
発熱の原因がアセスメントできる。
そういえば昔、発熱時の随伴症状についての記事を書いていたのでリンク貼りますっ(*´∀`*)
15-2.【発熱】熱が出た時「熱いですか」「寒いですか」では問診不足!【随伴症状】をしっかり観察して! - 地域看護師のブログ
4.高熱
高熱とは、
一般的には38.5℃以上を指す。
- 活気の低下
- 発汗
- 倦怠感
- 意識混濁
- 食欲低下
を伴うことが多い。
小児の場合、
免疫反応が強いことで39℃以上の発熱が
容易に起こりうる。
反対に、
高齢者の場合、
免疫反応が弱いことで、
肺炎などの重篤な感染症があるにも関わらず、発熱が起こらずに状態が悪化する場合がある。
また、高齢者の場合、
発熱が起こる前に
- めまい
- 不穏
- 異常行動
などの精神症状が起こりやすい。
高熱の場合、
まず原因としては感染を考える。
その他では、
- がん
- リウマチなどの膠原病
- アナフィラキシーショックなどアレルギー
- 熱中症などの体温調節の異常
- 甲状腺機能亢進症などのホルモン系異常
などが挙げられる。
5.高熱時の一次対応
高熱を認めたら、
次に以下を確認する。
- いつから熱があるのか
- うつ熱の可能性があるか
- (12~3月の時期)家族にインフルエンザのかかった人がいるか
- 食事の内容、量、平常時からの変化
- 飲水量、平常時からの変化
- むせていないか、誤嚥性肺炎の既往があるか
これらの情報から、
- うつ熱
- 熱中症
- インフルエンザ
- 脱水
- 誤嚥性肺炎
が疑われるかをスピーディーに判断する。
うつ熱、熱中症が疑われる場合、
冷却が治療となる。
冷却の方法には、
- 氷枕や保冷剤を当てて直接冷却する
- エアコンで室温を調整する
- 窓を開けて室温を調整する
- 扇風機による通風で冷却する
- 衣服を薄手や風通しのよいものに替える
- 掛けものを減らす
などがある。
インフルエンザが疑われる場合は、
- 水分補給
- クーリング
など、安楽を促す援助を希望に応じて行う。
できる限り早めに外来受診を促し、インフルエンザの検査を行っていただく。
インフルエンザ陽性の場合、
基本的には、インフルエンザ治療薬の内服が5日間開始される。
インフルエンザ陽性の療養者に接触した場合は、接触した援助者も受診してインフルエンザ検査を受けることが望ましい。
また、事前にインフルエンザワクチンを接種しておくことも重要である。
脱水が疑われる場合、
- 口腔などの粘膜の乾燥
- 尿量減少
- 濃尿
- 手の甲の皮膚をつまむと、すぐに戻らない(ハンカチーフサイン)
などの状態を伴うことがある。
対応としては、
- 水分補給
を行う。
用意があればスポーツドリンクや経口補水液などの摂取が望ましい。
胃瘻ある療養者ならば、
家族と相談して水分の注入を行う。
むせ込みなどにより、
誤嚥性肺炎が疑われる場合は、
- 経口摂取の中止
- 口腔ケア
- 主治医への報告
を行う。
6.高熱時の二次対応
次に、以下が疑われるかを判断して対応する。
- 肺炎
- 消化器感染症
- 尿路感染症
- 皮膚感染症
7.肺炎
肺炎の随伴症状を下記に記す。
- 呼吸困難感
- チアノーゼ(爪を圧迫してピンク色に戻るまでに2秒以上かかる)
- 肺の副雑音(粗い断続性副雑音:コースクラックル、高調性連続性副雑音:ウィーズ)
- 食事の際のむせ込み
- 痰の増加
- 口腔内の食物の残存
- 吐き気・嘔吐
また、
- 誤嚥性肺炎の既往
- 胃瘻の増設
は、肺炎の危険因子である。
対応としては、
- 経口摂取の中止
- 排痰ケア(スクイージング、ハッフィング、バイブレーション、体位ドレナージ等)
- 吸引(未導入であれば、導入するか主治医と相談する。頻回に必要ならば家族への指導も必要になる場合がある。)
- 可能ならば水分補給
- 主治医へ報告
を行う。
排痰法についての記事を以前書いていたのでリンクを貼ります!(*´∀`*)
http://www.aikoandsibajyun.info/entry/2017/02/10/164518
8.消化器感染症
消化器感染症の随伴症状を下記に記す。
- 便秘
- 嘔吐
- 下痢
- 腹痛
対応としては、
便秘の場合
- 摘便などの排便ケア
を行う。
嘔吐の場合
- 保清
- 環境整備
- 口腔ケア
- 体位調整
を行う。
下痢の場合は、
- 着脱の容易なものに更衣
- オムツの装着
- 安静の保持
- 腹部の温罨法
- お粥など、腸管の刺激が起こりにくい食事を中心に摂取していただく
腹痛の場合、
- 腹部の聴診、触診
を行い、主治医に報告する。
腹部のフィジカルアセスメントの記事を以前書いていたのでリンク貼ります(*´∀`*)
http://www.aikoandsibajyun.info/entry/2017/01/24/033006
9.尿路感染症
尿路感染症の随伴症状を下記に記す。
- 頻尿
- 排尿時の痛み
- 腰痛
- 背部痛
- 尿の濁り
- 血尿
また、
- 尿カテーテル
は、尿路感染症の危険因子である。
- 尿カテーテルからの漏れや閉塞、痛みがある場合は尿路感染症を疑う。
対応としては、
- 主治医に報告(飲水量、尿量、尿の濁り、尿カテーテルの流れ)
- 尿カテーテルがある場合はカテーテルの交換
を行う。
10.皮膚感染症
- 皮膚の損傷
- 褥創
- 皮膚の炎症(発赤・腫張・疼痛・熱感)
は、皮膚感染症の危険因子である。
創部からの
- 熱感
- 排膿
- 腫張
- 発赤
- 臭気
があれば、皮膚感染症を疑う。
対応としては、
- 創部の洗浄
- 創部の冷却
- 主治医に報告
を行う。
…と、以上。このへんで終了です。
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