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~くりかん~

安全・安楽な排痰手技の手順!【看護】

こんにちは、栗鈴です。

今回の記事は『安全・安楽な排痰手技の手順!【看護】』です。よろしくお願いします。

 

 

はじめに

 自分で痰を出せない患者さまの痰を出すためには、吸引しかないでしょ!というイメージが強いかもしれませんが、もちろん吸引だけが痰を出す唯一の方法というわけではありません。吸引には気道損傷や出血、苦痛などのデメリットもありますし、患者さまの抵抗感も強い場合が多いので、吸引以外の方法で痰を出す技術も看護師には必要です。

 痰が出るために必要な環境・条件を整えて、患者さま自身の痰を出す力を引き出してあげれば、吸引せずに痰を出せる可能性があります。それでもダメな時にやるのが吸引ですので、患者さまの状態に応じて方法を選択しましょう。また、家族に排痰の方法を指導できれば、退院した後も、痰が貯留することによる在宅でのトラブルを減らすことにも繋がります。

 ぜひ、排痰について学んで、患者さまの苦痛を最小限にできるように努めていきましょう!では、やっていきましょう!

排痰の目的

気管支や肺に貯留している痰を移動させて排出し、呼吸困難の軽減・窒息の予防を目的としている。

排痰の概要

  • 痰の喀出が困難な療養者において、咳嗽や強制呼出を介助したり、体位排痰法、または気管吸引などの排痰手技を用いて行う。
  • 痰の粘性が低い時には 体位ドレナージと組み合わせると効果的である。
  • 療養者の状態によっては、それぞれの手技が禁忌の場合もあるため注意が必要である。

排痰の適応

以下の場合に排痰手技を行う適用となる。

  1. 痰の喀出が困難である場合
  2. 痰の粘稠度が強く、自力だけでは喀出できない場合
  3. 気管挿管または気管切開をしている場合

 

排痰の実施

必要物品

聴診器 

排痰の手技を行う手順

  1. 排痰の目的や手順について療養者に説明し、同意を得る。
  2. 聴診器を準備する。
  3. 聴診器で呼吸音を聴診し、痰が貯留している部位を確認する。
  4. 排痰体位を整える。
  5. 痰が貯留している部位が上になるように療養者の体位を整える(体位ドレナージ)。
  6. 排痰手技を組み合わせて行う。療養者の状態に応じて、呼吸ケアの手技を組み合わせる(タッピング、スクイージング、バイブレーション、ハッフィング)。
  7. 排痰後は療養者の呼吸状態をアセスメントする。
  8. 聴診器で呼吸音を聴取する。

※呼吸のフィジカルアセスメント、呼吸ケアの記事も書いてますので、よかったら見てみてください!

www.aikoandsibajyun.info

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排痰手技(呼吸ケア)

  1. タッピング:手をカップのようにして胸部を叩く。(禁忌:肋骨骨折、脊椎骨折、胸部手術創がある患者)
  2. スクイージング:圧迫法。呼気時に痰のある部位を圧迫して痰を押し出す。(禁忌:肋骨骨折、胸部手術創がある患者)
  3. バイブレーション:振動法。呼気時にのみ胸部をゆする等の振動を加える。(禁忌:疼痛のある患者、骨粗鬆症)
  4. ハッフィング:ゆっくりと息を吸い、声門と口を開けて3~4回に分けて「ハーッ」と息を吐きだす。(禁忌:腹膜透析…CAPDを実施している患者、胸部・腹部手術創がある患者、咽頭痛がある患者)

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咳嗽と強制呼出の介助

  • 気道から痰を確立するためには、必ず咳が必要である。
  • 咳嗽力の低下した療養者には、前胸部を圧迫して咳を介助する。
  • 体位は前傾座位が適しているが、頭部挙上して両膝を立てた仰臥位でも良い。
  • さらに、痰を出すためのハッフィングを行うと効果的である。その際、両上肢を用いて呼気に合わせて胸部を圧迫し、呼出を介助する。

体位排痰法(体位ドレナージ)

  • 体位排痰法は、分泌物が貯留する排領域を上側にした体位をとり、重力の作用によって分泌物を末梢軌道から中枢気道に移動させる方法である。
  • 分泌物が貯留している肺区域を決定し、その区域が上になるような体位をとる
  • ただし、循環動態が不安定な患者や高齢者、強度の呼吸不全のある患者などには、十分注意して行う。

排痰の患者・家族指導のポイント

  • 患者の痰貯留部位に応じて、仰臥位、半側臥位、腹臥位など、適宜体位交換をするように指導する。
  • 痰の粘稠度が高い場合は、水分補給や、吸入(ネブライザー)の導入を医師と相談する。また、日常的に十分な水分補給と加湿を行うように促す。
  • 家族および介護者にスクイージングなどの呼吸ケアを指導する場合は、理学療法士と連携して、患者に合った排痰方法を指導してもらうと良い。

緊急時の対応

  • 排痰時は顔色、チアノーゼの有無、呼吸状態、意識レベルを観察する。
  • 酸素飽和度が上昇しない、また呼吸状態が改善しないときは、ただちに医師に報告し、医師指示を確認して、吸引や酸素吸入などの処置を実施する。

 

以上になります!いかがでしたでしょうか。

 

おわりに

排痰の方法は吸引だけではありません!吸引を行うことも本当に大事ですが、呼吸ケア、体位ドレナージ、水分補給、ネブライザーを駆使しながら、医師・理学療法士等のセラピストとの連携等、できることをした上で、より安全かつ安楽に排痰ケアが行えるように努めていきましょう!

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