みなさんこんにちは。栗鈴です。
今回の記事のテーマは、『腓骨神経麻痺の予防【病態・症状・看護計画もこれで完璧!】』になります。
おろしくお願いします。
はじめに
腓骨神経麻痺は、寝たきりの患者さまや、整形外科領域における術後の患者さまなどによく起こる症状であります!
とくに注意なのが、褥瘡予防のために体交枕を使用して下肢を挙上したりしている場合です。
腓骨神経麻痺は、腓骨周囲が体交枕などで圧迫されるだけでも簡単に発生してしまいます。
きちんとした知識を持っていなかったばかりに、良かれと思って実践していた体位交換が、実は患者さまの腓骨神経麻痺を起こす原因になっていた…なんてことも、実際に起こった例があります。
腓骨がどこの骨か、ちゃんと知ってますかぁ?
私はかなり怪しかった!
『腓骨神経麻痺?聞いたことはあるけど、ようわからん! 』
そう思っている方は、ぜひ今回の記事を読んで頂きたいと思います!
腓骨神経麻痺の予防を行う責任は、ほぼ看護師にあるといっていいと私は考えています。
看護師のケア次第で、腓骨神経麻痺が起こるか起こらないかがほぼ決定づけられるからです。
転倒・褥瘡と同じくらいの気持ちで、腓骨神経麻痺を予防していく意識を持って看護師全員が取り組んでいけたらなと思います!
ぜひ一緒に勉強していきましょう!
前置きが長くなりました!
それでは、やっていきましょう!
腓骨神経麻痺の予防
【腓骨神経麻痺の概念・病態生理】
腓骨神経麻痺は、外傷や骨折・脱臼などに合併して起こることが多い。
整形外科的治療・処置後に圧迫神経麻痺として医原性に起こることもある。
- 医原性のものは、下肢のギプス固定や、強いサポーターの使用、挙上枕や手術台などでの腓骨頭部への圧迫に起因する。
- 頻発する麻痺で、腓骨小頭部の浅い部位を総腓骨神経が走行するため、圧迫・外傷により運動麻痺を起こしやすい。
【腓骨神経麻痺の症状】
- 腓骨神経領域の運動障害と知覚障害が起こる。
- 腓骨神経領域は、第1・2趾間の付け根の皮膚における感覚、第5足趾以外の足趾の運動、前脛骨筋・足関節の背屈運動などを支配しており、腓骨神経麻痺が生じると、支配領域の疼痛やしびれ感、感覚障害・運動障害を引き起こす。
- 運動が障害されることにより、足底は低屈し、下垂足となる。
左下肢側が下垂足。
腓骨神経麻痺の診断
- 臨床症状に加えて、ティネルサイン(麻痺部位への刺激に生じる放散痛)があることを確認する。
- 筋電図検査、X線検査、MRI検査、超音波検査などの検査により確定診断が行われる。
腓骨神経麻痺の看護問題の例
- 下肢の外旋位の持続に関連する腓骨頭部の圧迫により疼痛・痺れ感を生じている
看護目標の例
- 腓骨神経麻痺を起こさない
腓骨神経麻痺の看護計画
腓骨神経麻痺の観察計画
O:定期時間毎に知覚固有域の1-4足趾間の知覚異常の有無を観察する
O:同時に総趾伸筋の伸展、前脛骨筋・足関節の背屈など、腓骨神経支配領域の運動ができるかどうかを観察する
O:足趾の運動では趾を底屈だけすると、見た目はいかにも動かせるように見えるが、実は背屈できないという場合がある(腓骨神経 麻痺)。足趾の運動を見るときは、必ず背屈できるかどうかを観察する
腓骨神経麻痺のケア計画
T:下肢の肢位は回旋中間位をし、外旋位にならないように保持する
T:膝窩部が除圧されるように下肢の体勢を調整する
腓骨神経麻痺の教育計画
E:足関節・足趾の運動障害や腓骨神経領域のしびれ・知覚障害が出現したら速やかに看護師に申し出るよう指導する。
【腓骨神経麻痺で考えられる看護診断名候補と共同問題の例】
- 末梢神経血管性機能障害のリスク
以上になります!
いかがでしたでしょうか。
おわりに
腓骨神経麻痺の看護のポイントは3点あります。
1つは、神経のフィジカルアセスメントを確実に行うこと。
下肢の疼痛やしびれ感、MMT、浮腫の有無や循環動態まで、しっかり観ましょう!
もう1つは、良肢位を保持すること。
定期的な体位交換を行いつつも、家族や医療スタッフではない人でもひと目で自然な姿勢だと分かるように体位を保ちましょう!( ´∀`)
最後に、腓骨を圧迫しないこと。
そのためには、体向枕の配置に注意することです。
腓骨骨頭に体向枕が当たらないように配置することを徹底していきましょう!
患者様に危害が加わることのない、安全・安楽なケアをぜひ目指していきましょうね!
おわり!
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