栗看

~くりかん~

【看護】認知/知覚パターンのアセスメント・情報収集の例【ゴードン】

こんにちは、栗鈴です。

今回の記事は、『【看護】認知/知覚パターンのアセスメント・情報収集の例【ゴードン】』です。

よろしくお願いします。

 

 

 

 

はじめに

看護実習でよく使われるマージョリー・ゴードンの看護理論から、

全11パターンの情報収集の目的と注目する視点、情報収集の質問の例についてまとめいます!

 

今回は

認知/知覚パターンというように、認知と知覚という言葉がセットになっていますね。

実際のところ、『認知』と『知覚』ではかなり情報収集の要点が異なってきます。

 

認知というのは、

(あたま)で身の回りや外界を判断する力のこと。

 

知覚というのは、

(の感覚)で身の回りや外界を判断する力のこと。 

 

例えば、

(あの笑ってる人、優しそうだな~)

と思ったときは、

  • 知覚(視覚)で「笑ってる」
  • 認知(経験や本能)で「優しそうだ」

と認識しているのです。

 

また、別の例ですと

(ピンポンと音が鳴ったから、インターホンの音だなぁ)

と思ったときは、

  • 知覚(聴覚)で「ピンポーン」
  • 認知(経験や音色)で「インターホン

を認識しているのです

 

なんとなく、わかっていただけたでしょうか???

(^o^;


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 魚沼宇水さん(るろうに剣心:和月伸宏 作より)は盲目の戦士ですが、異常聴覚によって常人を遙かに超えた空間認識能力を持っている上に、人の心まで読んでしまいます。

 

盲目の患者さまを何人か看させていただいたことがありますが、

意外と現実にも、こういう高い洞察力を持っている方は、いるんですよね…(゜∀゜)

 

これらをふまえて実際の情報収集に取り組んでみると、少しはわかりやすくなるんじゃあないかなと思います!(´▽`)ノ

 

今回は前置きが長くなりました( ̄。 ̄;)。

これくらいにしておいて…それでは、やっていきましょう!

 

 

5.認知/知覚パターン


情報収集の目的

  • 認知パターンは患者の理解力・コミュニケーション能力・記憶力・決断力(判断力)を知る。
  • 知覚パターンは五感(視覚・聴覚・触覚[痛みの知覚を含む]・味覚・臭覚)の機能状態を知ることである。

 

情報収集のポイント

  • 認知
  1. 患者の理解力
  2. コミュニケーション能力
  3. 記憶力
  4. 決断力

 

  • 知覚
  1. 空間認知
  2. 疼痛、悪心、嘔吐、掻痒感
  3. 咳嗽反射、嚥下機能
  4. 感覚器

 

認知

1.1注目する視点(患者の理解力)

  •  患者が質問を理解できるかどうか
  • 患者が質問に答えたり、指示に従うことが困難かどうか
  • 質問に対する患者の応答はどうか
  • 患者の精神状態はどうか
  • 意識レベル[JCS(ジャパン・コーマ・スケール:3-3-9 度)GCS(グラスゴー・コーマ・スケール)]
  • 見当識障害の有無


1.2質問の仕方の例(患者の理解力)

  • あなたは医師からあなたの健康状態についてどのように説明を受けたか教えてください
  • 自分の病気や治療についてどのように理解していますか?
  • 新しい事を覚えているのはあなたにとって優しいことですか? それとも難しい事ですか? 
  • あなたにとって新しいことを覚えるもっとも良い方法は何ですか?(本や雑誌などを読む、テレビを見るなど)
  • 名前を教えてください
  • お年はいくつですか?
  • 今日は何月何日ですか?
  • あなたは今どこにいますか?


2.1注目する視点(コミュニケーション能力)

  • 患者の使う言葉の明確さや適切さはどうか
  • 患者が気になっている健康問題について表現できるかどうか
  • 会話の障害が日常生活にどのように影響しているか
  • 会話の障害がある場合の原因は何か(知識・習得能力・精神運動機能など)


2.2質問の仕方の例(コミュニケーション能力)

  •  現在の健康状態についてどのように感じているか話してください
  • 自分の受けている治療・薬について質問がある場合、質問することができますか?
  • 自分を表現したり物事を他人に説明するのは難しいと感じたことがありますか?


3.1注目する視点(記憶力)

  • 現在の日常生活についての質問に正確に答えられるか
  • 短期の記憶力はどうか(訪ねてきた人・食事の時食べた物・その日の出来事など)
  • 長期の記憶力はどうか (家族や健康問題・入院についての今までの経緯が述べられるかどうかなど)
  • 重要な過去の出来事を思い出すかどうか


3.2質問の仕方の例(記憶力)

  • 今日訪ねてきた人はどなたですか?
  • 今日の朝食に食べた物は何ですか?
  • 最近のできごとや過去のことを思い起こすとができますか?
  • 最近の事件を覚えていますか?
  • 昔の事件ではいかがですか?
  • 入院までの病気の経過について教えてください


4.1注目する視点(決断力)

  • 質問の回答が理にかなっているかどうか
  • 決断のための援助が必要かどうか
  • 決断の早さはどうか
  • その日に何をすべきかがわかる
  • 活動にみあった服装を決める事ができる


4.2質問の仕方の例(決断力)

  • 決断を迫られた時どのように感じますか?
  • 決断するときにどのような手助けが必要ですか?
  • あなたはなかなか決断できないほうですか?それともたやすくできるほうですか?
  • 何かを決めるとき誰かに相談してから決めますか?それとも、一人で決めますか?

 

 

知覚

1.1注目する視点(空間認知)

空間認知の定義

  1. 環境の空間的特性を認知すること。
  2. 環境における対象の位置・形・大きさを認知すること。
  3. 対象と観察者の関係を認知すること。

片側無視の定義

身体の片側に対して知覚的に気づかず注意を払わない状態。

  • 無視症候群を悪化させる因子があるかどうか。 
  • 視野欠損(視野障害)と合わせてどうか
  • 日常生活の場で安全に生活していく能力に及ぼす影響があるかどうか


1.2質問の仕方の例(空間認知)

  • あなたはどの部分に注意を払いづらい(見えづらい)か知っていますか?
  • それは日常生活の中でどんな時に気をつけていますか?
  • いつからそのような症状が出ましたか?


2.1注目する視点(疼痛、悪心、嘔吐、掻痒感)

  • 症状が日常生活に及ぼす影響は何か
  • 症状出現時の随伴症状は何か
  • 患者の症状の体験歴はどうか
  • 症状を起こすきっかけになるような誘因は何か
  • 症状に対処する効果的な方法は何か
  • 症状の原因は何か
  • 自律神経失調の病歴があるかどうか


2.2質問の仕方(疼痛、悪心、嘔吐、掻痒感)

  • 痛み(吐き気・かゆみ)はありますか?
  • それはいつ頃、どのように、どれくらい続きますか?
  • 痛み(吐き気・かゆみ)に伴う症状がありますか?
  • あなたは痛み又はそれによる不快感を経験したことがありますか?
  • もしあるとすれば、その時の状況とその原因と考えられることを話してください
  • 痛み(吐き気・かゆみ)を悪化させる(和らげる)因子は何ですか?  
  • 痛み(吐き気・かゆみ)に対するあなたの対処方法を教えてください
  • 薬を飲むことで痛み(吐き気・かゆみ)は軽減しましたか?
  • もし軽減したとしたらその薬の名前と量と何回飲んだか、そして飲んだ間隔を教えてください
  • 痛み(吐き気・かゆみ)のために運動・仕事・社会参加などの普通の日常生活を行うために限界を感じたことがありますか?
  • 不快を軽減する工夫を行ったことがありますか?
  • それはどんなことで、どのような効果がありましたか?


3.1注目する視点(咳嗽反射、嚥下機能)

  • 嚥下に伴う問題があるかどうか
  • 病態生理学的因子があるかどうか


3.2質問の仕方の例(咳嗽反射、嚥下機能)

  • 食物や水分を食べたり飲んだりしてむせやすいですか?
  • それはどのような食べ物ですか?


4.1注目する視点(感覚器)

留意点

老人の感覚消失に対しては、多くの適応技術が安全や喜び・生活の自立を高めるのに利用できる。そのため、注意深く観察する必要がある。

 

  • 感覚器の障害の程度はどうか(視力・聴力・皮膚の感覚[触覚・痛覚・寒冷感覚]・味覚[辛い・甘い・苦い・すっぱい]・匂い・痺れ・眩暈)
  • 感覚欠損が日常生活行動への影響はどうか 
  • 感覚消失が先天的なものか。正常な老化過程によるものか。 
  • 感覚の低下にうまく対処するための工夫があるかどうか  
  • 感覚補助道具(眼鏡・補聴器など)の使用の有無


4.2質問の仕方の例(感覚器)

  • 目はよく見えますか?
  • (見えない場合)眼鏡など何か使用していますか? 
  • 視覚上の問題があなたの生活の妨げになっていませんか?(買い物・支払い・車の運転など)
  • 耳はよく聞こえますか?
  • 耳のどちら側が聞こえにくいですか?
  • 高い音と低い音ではどちらが聞こえにくいですか?
  • 難聴のために周囲の人と関わることを避けたり、煩わしいと思ったりしますか?
  • 触られた感じがわかりますか?
  • 触られた感じがわからないところはどこですか?
  • 痺れているところがありますか?それはどこですか? 
  • 手や足が痺れたり感覚がなくなったことがありますか? 
  • お風呂の温度を見るのが難しいですか?
  • 今までに、気づかないうちに傷を作っていたということがありましたか?
  • 香りや味について、おかしいと感じたことがありますか?
  • ある特定の香りに特別な違和感がありますか? 
  • めまいやふらつきはありますか?それはどのようなときですか?

 

以上になります!

いかがでしたでしょうか。

 

おわりに

認知/知覚パターンは、そのほかのパターンと比べても、より患者さまの身体状況に即した情報収集を司っています。

その分、多くの情報が適切なケアプランを立案するために役つことでしょう。

 

患者さまの安全や、生活の質を高めることに情報収集やアセスメントから結び付いた看護ケアが貢献できている感覚が実感できると、看護師としての達成感や喜びもひとしおですよ!

 

少しでも患者さまが幸せに暮らせるように、まずは徹底的に情報収集を行うことから、すぐに始めていきましょうね!!

 

おわり

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