こんにちは、栗鈴です。
今回の記事は『統合失調症の看護計画の例(OP・TP・EP)【これでばっちり】』です。
それでは、よろしくお願いいたします。
- はじめに
- 【統合失調症の概念】
- 【統合失調症の症状】
- シュナイダーの一級症状
- 【統合失調症の診断】
- 【統合失調症の治療】
- 統合失調症の看護問題・目標・計画・介入(OP・TP・EP)
- #1知覚・思考・行動・自我機能の障害により、自己あるいは他者への暴力のリスクがある
- #2病識の欠如などにより、自ら適切な服薬・症状管理ができない
- #3知覚・思考・行動・自我機能などの障害によりセルフケアが困難になっている
- #4知覚、思考、行動、自我機能などの障害により活動と休息のバランスが崩れている
- #5知覚障害、思考障害がある
- #6自我機能の障害により、自己同一感の獲得が困難である
- #7知覚、思考、行動、自我機能などの障害によりコミュニケーションが困難である
- #8症状による影響、または地域のサポート体制が充実していないこと等による社会的孤立
- #9ストレスに対して適切に対処できない
- #10 高感情表出家族である
- 【統合失調症で考えられる看護診断名候補と共同問題】
- おわりに
はじめに
精神看護実習では、統合失調症の患者様を受け持つことが多いと思います。
精神疾患と聞くと、なんだか警戒してしまいそうになりますが、決して珍しい疾患ではありません。
また、性格や育った環境のみによって統合失調症を発症するというわけではありません。脳内のドーパミン受容体のトラブルにより、ドーパミンの伝達過剰が生じて症状が起こるということが分かっており、脳神経内科の診療にも関わっている疾患です。
いわゆる「心の病」とは、ひとくくりには言い切れない。それが統合失調症です。
「なんだかよくわからないけど、怖そうな病気だな…」という先入観がもしあれば、その気持ちは捨てた方がいいです。決して怖いことはありません。統合失調症の方は、優しい性格の方が多いと思います。
【看護師と患者】というスタンスで関わるよりも、【人と人】という姿勢で、『ふつう』に関わることが、結果的に支援につながることも多いです。
それでは、やっていきましょう!
先入観を捨てて、私たちもリラックスしていきましょう~
【統合失調症の概念】
思考、感情、行動を統合する能力が障害された精神疾患である。
【統合失調症の症状】
症状を幻覚・妄想などの「陽性症状」
意欲低下、自閉などの「 陰性症状」に分けて考えるのが分かりやすい。
統合失調症の陽性症状
- 幻覚・ 妄想などの陽性症状については、ドパミン受容体( とりわけドパミンD2 受容体)が関与していることが確認されている。
- ドパミン伝達の過剰により、幻覚・ 妄想などが引き起こされると考えられている。
統合失調症の陰性症状
- 意欲の減退、活動性の低下、 自閉などのいわゆる陰性症状のメカニズムは複雑で精神薬理学にグルタミン酸受容体をはじめ、 さまざまな神経伝達物質の関与が考えられるが、困難な社会生活状況から自己を防衛しているなどの心理的側面も無視できない。
シュナイダーの一級症状
- 陽性症状として最も有名なものがシュナイダーの一級症状である。幻覚としては、幻聴が多いのが特徴である。
- 「『死ね』 などと悪口を言ってくる」などの被害的な内容の幻聴が多い。
一級症状のなかの
- 「思考化声」
- 「話しかけと応答の形」
- 「 自分の行為を絶えず批評する声」なども幻聴に含まれる。
体感幻覚
「脳が半分溶けてしまった」など奇妙な感覚を訴えることもよくある。
被害妄想
「FBIが自分をずっと監視している」
「 やくざの組織が自分をねらっている」
など他の人や組織などから嫌がらせや攻撃を受けるなどの妄想を被害妄想という。
誇大妄想
「 自分は天皇の子供である」
などのように、 自分を誇大視するような妄想は誇大妄想という。
- 急性の症状としては、被害妄想のほうが多い。
- 誇大妄想は慢性化を懸念させる症状である。
妄想知覚
「 家に帰ったら家族の靴が妙にきちんと揃えられていた。 これは自分を殺せという合図だとはっきり悟った」などのようなものである。
考想吹入
本来患者が考え、感じ、行動していることが「自分がしている」 という実感がもてなくなり、「考えを吹き込まれる」と感じたりする症状もある。
思考伝播
思考に関する症状としては、自分が考えていることが「 テレビで世界中に報道されている」(「思考伝播」)という症状もある。
【統合失調症の診断】
- ICD‐10による診断基準(↓参照サイト)。
- 幻覚や幻聴は器質的疾患でも見られるので慎重な鑑別が必要。
- 幻覚や妄想などの陽性症状が1か月以上続く場合に初めて統合失調症の診断ができる。
【統合失調症の治療】
統合失調症の薬物療法
- 抗精神病薬を投与する。
- 幻覚・妄想などのいわゆる陽性症状を改善するためには、ドパミン受容体の遮断が有効である。
- 無気力・自閉などの陰性症状には十分効果がある抗精神病薬はまだない。
- 定型(従来型)抗精神病薬:ドパミン受容体を遮断する。コントミン、ヒルナミンなどは他の受容体遮断作用もある。ハロペリドール(セレネース、リントン)、クロルプロマジン(コントミン、ウインタミン)、レボメプロマジン(ヒルナミン、レボトミン)、ペルフェナジン(ピーゼットシー)など。
- 非定型(新世代)抗精神病薬:ドパミン受容体を遮断するが、セロトニン受容体も遮断したり、他の受容体も遮断したり、ドパミン受容体を部分的に遮断したりする。薬剤により作用が異なる。リスペリドン(リスパダール)、ペロスピロン塩酸塩水和物(ルーラン)、ブロナンセリン(ロナセン)、クエチアピン(セロクエル)、オランザピン(ジプレキサ)、アリピプラゾール(エビリファイ)など。
- 抗パーキンソン病薬:抗コリン性薬物で、ドパミン遮断に拮抗する。ビペリデン(アキネトン)、トリヘキシフェネジル塩酸塩(アーテン)など。
- 抗不安薬:GABA受容体に作用し、抗不安作用をもたらす。抗けいれん作用、筋弛緩作用などももつ。ジアゼパム(セルシン、ホリゾン)、ブロマゼパム(レキソタン)、ロラゼパム(ワイパックス)など。
- 催眠薬:抗不安薬と同様。マイスリーは筋弛緩作用、依存性などが弱い。フルニトラゼパム(ロヒプノール、サイレース)、ブロチゾラム(レンドルミン)、ゾルピデム酒石酸塩(マイスリー)など。
心理社会的治療
- 社会技能訓練(SST:social skill training):障害の管理、社会生活上で必要な対応行動を学習する。例えば、服薬の仕方、再発のサインの理解、仕事でのペース配分調整、適切な物事の断り方など。
- デイケア・ナイトケア:日中や夜間の寝る前までの居場所や活動の場所を提供する。SSTや作業を行うなどリハビリ的機能も有している。
- 作業所:作業を行うことで作業能力の向上を図り、就労のための訓練を行ったりする。
- 居住施設:一人暮らしが出来なかったり、家族との同居が困難な場合、グループホームなどが居住場所を提供する。
- ACT(assertive community treatment):医師、看護師、精神保健福祉士などの多職種がチームを組んで患者の住居を訪問し、治療にあたる。地域精神医療のあり方として注目されている。
- IPS(individual placement and support):援助付き雇用の最近の動き。まず仕事に就かせてから継続的な援助を行い、就労の継続を目指す。段階的に訓練して雇用に就かせるよりも雇用の継続が良好であるとの報告が多い。
- 家族教育:家族の患者への対応を教育することで再発を減らすことが出来る。疾患の教育、治療法、家族の対応などを教育する。
- 患者会:患者同士の当事者サポートグループ。当事者の役割は北海道浦河における「べてるの家」などで注目されてきている。
- 家族会:患者の家族同士のサポートグループ。患者のサポートに占める家族の役割は大きいので、今後の発展が必要である。
電気痙攣療法
- 薬物療法で幻覚・妄想の改善が不十分だったり、自殺企図などの問題行動が管理できなかったりするときには電気痙攣療法を行う。
統合失調症の看護問題・目標・計画・介入(OP・TP・EP)
#1
知覚・思考・行動・自我機能の障害により、自己あるいは他者への暴力のリスクがある
<長期目標>
症状をコントロールすることで、暴力が回避できる
<短期目標>
看護師の援助により暴力を回避できる
観察計画(OP)
- O1:幻覚・妄想の内容と患者への影響の程度、感情や行動の状態と コントロール状況、自我機能の状態
- O2:短時間ごとに暴力のリスクのチェックを行う。(患者の言動・表情・態度など)
ケア計画(TP)
- T1:暴力の危険性が高いと判断した場合、主治医に報告し、隔離・ 拘束を検討する。
- T2:患者を刺激しないように環境を調整する。他者との接触、 テレビの音などから遠ざける。部屋を移すなど
- T3:興奮している患者には、落ち着いた態度で接し、必要なこと以外は無理に話をしないようにする。また1対1で接するよりも複数で接するようにする。
- T4:看護師間で対応を統一するよう話し合っておく
- T5:興奮が激しい場合など、臨時薬の投与について主治医と相談する
教育計画(EP)
- E1:あらかじめ、行動の許容範囲とそれを超えた場合の対処方法(隔離・拘束。その他の処置など)について説明しておく
#2
病識の欠如などにより、自ら適切な服薬・症状管理ができない
<長期目標>
自ら適切な服薬・症状管理ができる。
<短期目標>
看護師の確認のもと、適切な服薬・症状管理ができる
観察計画(OP)
- O1:服薬管理状況、時間帯、服薬の仕方、保管の仕方、 飲み忘れたときの対処法、服薬管理の必要性の認識など)
- O2:症状管理状況(症状に応じてどう対処しているのか、 何がきっかけで悪化するのか、悪化したときはどうしているか。 症状管理の必要性の認識など)
- O3:病識の程度(自分の疾患についての理解度、自覚している症状と疾患との関連についての認識など)
- O4:抗精神病薬の効果・副作用(出現状況、副作用に関する患者の思いなど)
ケア計画(TP)
- T1:服薬管理について、出来ている点は肯定的なフィードバックをし、出来ていない点はその理由について患者から話を聞き、 どうしたらできるかを患者とともに考える。
- T2:服薬管理がしやすいように、 患者とチェックシートなどを作成し定期的に患者と確認してみる
- T3:看護師が観察して、 薬の効果と考えられる点は患者にフィードバックする
- T4:薬の副作用の出現が疑われるときは、早急に主治医に報告し、対処する
- T5:頓服薬の使い方について、患者と確認する
- T6:どのような症状のとき、どう対処してきたか、 どういう方法が効果的だったか、など患者から話を聞きながら整理し、 効果的だった方法についてフィードバックする
- T7:症状が悪化するときのサインや対処法について、患者と話し合う機会をもち、 対処法を患者と一緒に考えておく
教育計画(EP)
- E1:服薬管理の必要性と具体的な方法、薬の効果・ 副作用について、患者が理解できるように説明する。
- E2:疾患とその症状、対処の仕方について、 患者が理解できるように説明する
#3
知覚・思考・行動・自我機能などの障害によりセルフケアが困難になっている
<長期目標>
症状とうまく付き合いながら、セルフケアが行える
<短期目標>
看護師の援助によりセルフケアが行える
観察計画(OP)
- O1:食事摂取状況(量、食事の内容、介助の有無など)
- O2:入浴状況(頻度、全身・髪などが洗えているかどうか)
- O3:更衣・ 洗面状況(適宜清潔な衣類に着替えることができているか。 顔を洗う、歯を磨く、髪をとかすことなどができているか)
- O4:排泄状況(回数、適切な排泄行為などができるかどうか)
- O5:幻覚・妄想などによるセルフケアへの影響の程度
ケア計画(TP)
- T1:患者のその時点でのセルフケア能力に応じて働きかける。 全く行えない場合は看護師が全代償し、回復に伴い患者自身で行えるように徐々に関わりを変化させる
- T2:患者のセルフケア行動に対して、急がさず、時間をかけて関わる
- T3:幻覚・妄想などの影響が強く、セルフケア行動が進まない場合 、「今は食事の時間です」「着替えをしましょう」など、現実に戻すようにする
- T4:幻覚・妄想などにより、患者が不安や恐怖を感じている場合はその場に付き添うようにする
- T5:患者とともに、セルフケアに関する長期的目標を見据えたうえで、段階的で達成可能な目標を設定し、プランを計画する
- T6:達成できた点は肯定的にフィードバックし、達成できなかった点はその要因について患者と話し合う。
- T7:排泄に関して、薬の副作用で便秘などが見られる場合は、頓用薬の処方について主治医に相談する
教育計画(EP)
- E1:症状とうまく付き合いながら、患者自身でセルフケアを維持する必要があることを伝える
#4
知覚、思考、行動、自我機能などの障害により活動と休息のバランスが崩れている
<長期目標>
自ら適切な活動・休息がとれる
<短期目標>
看護師の援助により適切な活動・休息がとれる
観察計画(OP)
- O1:睡眠状態(睡眠時間、中途覚醒の有無、熟睡感の有無、 睡眠パターン、昼間の休息時間、など)
- O2:幻覚・妄想などの症状による睡眠状態への影響の程度
ケア計画(TP)
- T1:患者が入眠できる環境を整える
- T2:昼間の活動・休息時間と睡眠状態について、患者とチェックシ ートなどを用いてモニタリングし、適切な活動・ 休息パターンを見つける
- T3:睡眠を妨げる要因(幻覚・妄想など)と要因への対処について 、患者と話し合う
- T4:睡眠に対して、患者がうまくできたことは、肯定的にフィード バックを行う
- T5:睡眠状況をみながら、睡眠薬の調整について主治医に相談する
教育計画(EP)
- E1:適切な活動・休息をとれるようになることが再発予防につながることを説明する
- E2:睡眠薬の適切な用い方について説明する
#5
知覚障害、思考障害がある
<長期目標>
知覚障害、思考障害に適切に対処しながら生活できる
<短期目標>
現実的な体験(セルフケア等)に目を向けた表出や行動ができる
観察計画(OP)
- O1:知覚障害、思考障害の出現状況、内容、程度
ケア計画(TP)
- T1:看護師は幻覚・妄想体験が患者にとって事実であることを受け入れ、患者の体験内容が現実にそぐわないことを無理に納得させようとしない
- T2:患者と話すときは、簡潔、明瞭、具体的な話し方を心がける
- T3:幻覚・妄想により患者が体験する感情に焦点を当てて対話する
- T4:患者が幻覚・妄想体験よりも、現実的な事柄(セルフケアなど )に目を向けられるように働きかける。(「今は食事の時間です」「一緒に入浴の準備をしましょう」など)
- T5:患者と一緒に、現実的な体験(作業、散歩など)をする機会を多くもつ
- T6:幻覚・妄想体験が事実かどうかを、患者と一緒に確かめる(「本当に、外に誰かいるかどうか一緒に確かめましょう」等と声をかけ、外に一緒に見に行くな
ど) - T7:幻覚・妄想体験について、看護師が知覚したことなど患者に伝える(「私には、あの人が悪口を行っている声は聞こえていませんでした」など)
教育計画(EP)
- E1:知覚・思考障害、特に幻覚・妄想についての正しい知識、対処の仕方に関する教育を行う
#6
自我機能の障害により、自己同一感の獲得が困難である
<長期目標>
自己と外界が区別できる
<短期目標>
自我境界を意識できる
観察計画(OP)
- O1:自己と外界の区別、させられ体験、攻撃的あるいは退行的な行 動、不適切な行動、不適切な感情表現、失見当識の有無と程度
ケア計画(TP)
- T1:自己あるいは他者への暴力リスクが高い場合、逸脱行動(裸になる、大声で歌を歌う、など)がみられるとき は、周囲の状況をみながら、必要であれば患者を別の場所に移したり、周囲の患者に対しても適宜介入する
- T2:必要に応じて、人物、場所、時間、外界の状況などの見当づけ をおこなう。
- T3:患者が不安や恐怖を感じているときは、自我を脅かされると感 じない程度に、一緒に居る時間をつくり、 安心感を得られるようにする。
- T4:攻撃的、衝動的な行動が見られる場合、屯用薬の処方について、主治医と相談する
- T5:攻撃的、衝動的な行動に対しては最小限の範囲で隔離・ 拘束を行う
教育計画(EP)
- E1:あらかじめ患者に、患者の行動の許容範囲とそれを超えた場合 の対処方法(隔離・拘束・その他の処置など) について説明しておく
- E2:知覚・思考障害、特に幻覚・妄想についての正しい知識、 対処の仕方に関する教育を行う
#7
知覚、思考、行動、自我機能などの障害によりコミュニケーションが困難である
<長期目標>
円滑な対人関係を形成・維持するコミュニケーション 能力をもつことができる
<短期目標>
看護師の援助により伝えたい内容が伝えられる
観察計画(OP)
- O1:コミュニケーション状態(会話の内容、意思の疎通など)
ケア計画(TP)
- T1:患者の話が理解できなかったり、一貫性がなくても、 その背後にある不安や恐怖などの感情に焦点あててかかわるように する
- T2:言い換え、明確化、などのコミュニケーション技法を用いて、 患者の話を整理する。「あなたが話したいことは、~ ということですか」など
- T3:会話以外のコミュニケーション方法(筆談、絵画、 身振りなど)もとってみる
- T4:患者の話がよく理解できるときは、 肯定的なフィードバックを行う
- T5:他患者との間で、 患者が伝えたいことがうまく伝わらないときは、橋渡しをする
- T6:SST(社会生活技能訓練)への参加を促す
教育計画(EP)
- E1:適切なコミュニケーション方法(言語的・非言語的)について、患者に教える
#8
症状による影響、または地域のサポート体制が充実していないこと等による社会的孤立
<長期目標>
地域のサポートを得ながら社会生活を維持することが できる
<短期目標>
病院内などの限定された人々との間で相互交流ができる
観察計画(OP)
- O1:症状の程度(知覚障害、思考障害、感情障害など)
- O2:対人関係の状態(交流の頻度、関係性の深さの程度など)
- O3:職場、学校など患者の社会生活上での活動状況
- O4:患者を取り巻く地域サポート体制の状態
ケア計画(TP)
- T1:患者がひきこもる理由について尋ね、理解を示す。
- T2:症状の程度に応じて、他患者との交流場面、活動場面に患者が 入れるよう
- 働きかける。「私と一緒に~をやってみましょうか」 など
- T3:患者の興味がありそうな活動について、患者と話し合い、 それを日々の活動として取り入れるように提案する。
- T4:患者が関心を示す事柄を話題に取り上げ、そこから交流の場を参加できるよう働きかける
- T5:患者と共有する事柄に興味・関心をもつ他患者がいれば、一緒に活動できるように働きかける
- T6: 他患者あるいは他者との交流をとうして体験する感情や思いに焦点を当てて話を聞く
- T7:活動範囲を広げるために、 患者と週単位での活動記録表などを作成し、 実際に活動したことを記録しながら、どんなパターンがあるのか。 どの時間帯なら活動しやすいか。などを一緒に調べる
- T8:活動範囲を広げる場合、小さなこと、簡単なことから始め、 徐々に難しいことに挑戦するように勧める
- T9: 患者が活動できたことについては肯定的なフィードバックをする
- T10:うまく行動できなかったことについては、 患者とできなかった要因を調べ、今後どうしたらできるか。 などを話し合う
- T11:行動するかどうか迷っている患者には、 思い切って行動することでうまくいくこともあることを伝え、 一歩を踏み出すように後押しする
- T12:新しい活動をすることに対して、 患者が不安や心配をもっている場合、事前に、 不安や心配な事柄への対処法を患者と一緒に考え、実行に移す。
- T13:患者を取り巻くサポート体制について患者と話し合う(どのようなサポートがあり、 どのサポートが必要で、どう体制づくりをしていくか、 など)
教育計画(EP)
- E1:地域で安定した生活を送るためには、社会で孤立せず、 他者との適切な関係を維持できることが大切であると伝える
- E2:地域のサポート体制の実際、その役割についての知識を提供する
#9
ストレスに対して適切に対処できない
<長期目標>
ストレスに対して、効果的な対処法がとれる
<短期目標>
看護師の支援を受けながら、ストレスの対処方法について話し合える
観察計画(OP)
- O1:ストレスとその対処法についての把握
ケア計画(TP)
- T1:どんなストレスを抱えているか。それに対してどう対処しているか等、患者から話を聞き、対処の仕方について振り返りをする
- T2:患者が実行できた効果的な対処法について、 肯定的なフィードバックをする。
- T3:患者のとる対処法のうち、看護師からみて、 非効果的と考えられる対処法を患者に示し、 患者と一緒に検討してみる
- T4:非効果的な対処法に代わる別の対処法について、 多様な角度から患者と探ってみる
- T5:ストレスにうまく対処できない場合、 感情や思いを表出するように促す
教育計画(EP)
- E1: リラクゼーションなどの効果的とされるストレス対処法について患者に教える
#10 高感情表出家族である
<長期目標>
家族が低い感情表出レベルで患者に接することができる
<短期目標>
家族が適切な患者への対応方法・技術を理解することができる
観察計画(OP)
- O1:患者と家族との関係性、家族の患者への接し方( コミュニケーションの方法、表情、口調、、態度、接触時間など) と患者の反応の観察
ケア計画(TP)
- T1:家族の感情により、患者の再発率が低下すること、また患者への適切な対応方法・技術、地域のサポート体制について教える
- T2:統合失調症に対する思いの表出を促し、理解を示す
- T3:患者とどのように接しているか、接し方について困っていることはないかを尋ね、相談にのる
- T4:患者の入院時、外泊時、退院時、外来受診時など、 家族との接点をみつけ、生活状況や困りごとなどを聞いていく
- T5:家族が患者に対応できていることに対して肯定的にフィードバ ックする
- T6:家族がうまく対応できない点については、家族と一緒にその要因を探り、別の方法をみつける
- T7:家族の相談によっては、精神保健福祉士など多職種につなぐ
教育計画(EP)
- E1:家族の接し方関する知識を提供する
- E2:家族を対象とする心理教育、家族会などを紹介する
【統合失調症で考えられる看護診断名候補と共同問題】
#1暴力リスク状態
#2ノンコンプライアンス
#3セルフケアシンドローム
#4不眠
#5思考過程混乱
#6自己同一性混乱
#7言語的コミュニケーション障害
#8社会的孤立
#9非効果的コーピング
#10家族コーピング無力化
以上になります!
いかがでしたでしょうか。
おわりに
統合失調症の方に対する看護師のケアは多岐にわたります。場合によっては、医師や家族以上の支えとなって役に立てることもあります。
看護の力で、少しでも患者さまの社会参加や自立支援につながるように、寄り添った看護を提供していきましょう!
おわり!
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