こんにちは、栗鈴です。
看護師の倫理綱領シリーズ第3弾です\(^o^)/
今回は、
『【看護師の倫理綱領】第3条を覚えると、信頼される看護師になれる!』です。
宜しくお願いします!
- はじめに
- 看護師の倫理綱領第3条
- 解説
- 看護は、対象となる人々との間に築かれる信頼関係を基盤として成立する。
- 高度な知識や技術による看護行為は、 信頼関係のもとで初めて効果的な看護援助となりうる。
- 看護者には、信頼関係を築き発展させるよう努める責任がある。
- 看護の援助過程においては、対象となる人々の考えや意向が反映されるように、積極的な参加を促すように努める。
- 看護者は、自らの実践について理解と同意を得るために十分な説明を行い、実施結果に責任をもつことを通して、 信頼を得るように努める。
- また、人々の顕在的潜在的能力に着目し、その能力を信頼し、忍耐をもって見守る。
- さらに、看護者は、対象となる人々に対する忠実義務を有し、築かれた関係によって生まれる看護者への信頼感や依存心に 誠実に応えるように努める。
- おわりに
はじめに
それでは、
看護師の倫理綱領 第3条の 内容をみてみましょう。
3.看護者は、対象となる人々との間に信頼関係を築き、その信頼関係に基づいて看護を提供する。
第3条のキーワードは【信頼関係】です(^o^)!
人を信頼し、人に信頼される。
良好な人間関係を築くために、信頼関係が重要であることは、言うまでもないことですね。
看護師の業務は多岐にわたりますが、
基本的には、サービスが中心になります。
サービスってよく聞く言葉ですが、具体的にどういうことなのか、皆さん知っていますか?
サービス(英: Service)
売買した後にモノが残らず、効用や満足などを提供する、形のない財のこと。
wikipediaより抜粋
簡単に言うと、
モノ以外で相手に満足を与えること
がサービスってことですね。
これを看護師に対応して言い換えると、
『看護』で患者・ご家族さまに満足して頂くこと
が、看護師のサービス≒仕事ということになるでしょうか。
ところで、
患者・ご家族さまが病院や施設を訪れる時は、必ず様々なニーズを持ってやってきますね。
『病気を治してほしい』
『今ある苦痛を取ってほしい』
『できる限り長く生きたい』
そんな願いをどうか叶えてくれますように、と
切実な気持ちで病院を訪れているわけです
(;´Д`)
それで、結局のところ何が言いたいのかといいますと、
患者・ご家族様は、病院や施設に
はじめから大きな信頼を寄せて来てくれている
ということです。
つまり、看護師が意識すべきなのは、
信頼を生み出すこと、ではなく
信頼に応えることで、信頼を維持または向上させることが大事だってことです。
例えば、
看護師が患者さまの信頼に応えられなかったら
どうなるのでしょうか?
ずばり言うと、
その時点で信頼は地面に落っこちて砕け散ります
(;´∀`)
そうして、
医療に対する不信感、クレーム、訴訟などが起こるんですね。
そして、信頼を取り戻すには、
時間をかけて相手に誠意を尽くし続けることでしか出来ないと私は思います。
看護師は、それだけ責任ある仕事なのですね。
看護師が患者・ご家族さまの信頼に応えるためには、ニーズ(求められていること)が何なのかをきちんと意識して行動することが大事だと思います。
それが、
患者・ご家族さまに、満足して頂ける第1歩につながるのだと思います。
信頼関係って、ホントに大事ですね!
(・∀・)
それでは続きまして、
看護師の倫理綱領 第3条 にある解説を
みていきましょう。
看護師の倫理綱領第3条
解説
看護は、対象となる人々との間に築かれる信頼関係を基盤として成立する。
高度な知識や技術による看護行為は、信頼関係のもとで初めて効果的な看護援助となりうる。
看護者には、信頼関係を築き発展させるよう努める責任がある。
看護の援助過程においては、対象となる人々の考えや意向が反映されるように、積極的な参加を促すように努める。
看護者は、自らの実践について理解と同意を得るために十分な説明を行い、実施結果に責任をもつことを通して、 信頼を得るように努める。
また、人々の顕在的潜在的能力に着目し、その能力を信頼し、忍耐をもって見守る。さらに、看護者は、対象となる人々に対する忠実義務を有し、築かれた関係によって生まれる看護者への信頼感や依存心に 誠実に応えるように努める。
これでもか!
と信頼関係の重要性を説いていますね!(*^^*)
では、ここから
解説を一文ずつ私なりに解釈をしていきたいと思います(・∀・)
看護は、対象となる人々との間に築かれる信頼関係を基盤として成立する。
これに関しては、さっき言ったとおりですね。
例えて言うと、
信頼関係というのは、窓みたいなもんなのです。
キレイであればあるほど、窓越し(お互いの気持ち)がどうなっているのかがよく見えます。
でも、普段の手入れをしなかったり、適当に開け閉めしてしまうと、汚れたり、キズがついてしまいます。
それぐらいならば、
拭いたり磨いたりすれば、またキレイになります。
でも、もしそうしなかった場合、
窓はどんどん汚れ、キズだらけになります。
あと、窓はガラスでできているので、ぶつかってしまうとすぐに割れてしまうのです。
そうなってしまったら、自力で直すのは本当に大変です。
何日も、何ヶ月も、もしかしたら何年もかかってしまうかもしれません。
信頼関係は、窓みたいなもんなのです。
みなさんも、窓は常にキレイにすることを心がけましょう(≧▽≦)
高度な知識や技術による看護行為は、 信頼関係のもとで初めて効果的な看護援助となりうる。
重要なのは、
患者さま・ご家族さまに満足を提供すること
がサービスである、ということです。
どれだけ素晴らしい指導をしても、
的確なケアを行っても、
それは、患者・ご家族さまの満足に繋がるという前提条件があってのことです。
事例をあげてみましょう。
自分で痰が出せずに息苦しさを訴えている80歳男性の患者さま
Oさん がいたとします。
Oさんを、
看護師Aさん、Bさん、C さんが順番に勤務を交代して受け持ちました。
Aさんは、知識は豊富ですが看護技術はイマイチです。
Bさんは、知識はほぼゼロですが看護技術は上手です。
Cさんは、知識、看護技術ともにイマイチですが、患者さま思いの看護師です。
Aさん、Bさん、Cさんは、
自分が受け持ちをしている際に、
Oさんに対し喀痰吸引を行いました。
その時の状況は、こうでした。
- Aさんは、Oさんが息が苦しい原因を理解し、息が苦しい原因をOさんに説明して吸引を行いました。しかし、痰を取るのにかなり時間がかかりました。その後はあいさつをして退室しました。
- Bさんは、Oさんが痰を絡んで息が苦しそうなのを見て、とくに声はかけずに手早く吸引を行い、痰をしっかり取って、サッと退室しました。
- Cさんは、Oさんが苦しい様子を見て『苦しいですね』と伝えました。その後に吸引で痰を取れば息苦しさが楽になることを簡単に説明しました。その後吸引を実施してもいいかOさんに同意を得ました。その後、少し苦戦しつつなんとか痰を取り除きました。吸引に耐えたOさんの気持ちをCさんはねぎらい、あいさつをして退室しました。
事例は以上になります。
みなさんはこの事例で、
Oさんがどんなニーズを持っていたと思いますか?
そして、Aさん、Bさん、Cさんの中で、誰の看護が1番満足度が高かったと思いますか?
ちなみにどれが正解か、というのは無いです。
それは、Oさんがどんなニーズがあるのか
それ次第なのです。
ニーズに応えることで、相手の満足が得られ、
それが信頼関係の維持・向上につながる。
この流れは是非おさえておきましょう!
(・∀・)
余談
もっと良質なエサをくれと言わんばかりの
くまちゃん。
彼女のニーズに応えることは経済的に大変ですが、誠心誠意対応させていただいてます!
看護者には、信頼関係を築き発展させるよう努める責任がある。
繰り返しになってしまいますが、
患者さま・ご家族さまとの信頼関係を維持・向上させていくことは重要です。
そして、看護職として信頼関係の維持・向上のための活動を担っているということに責任感を持ちましょう!
チーム医療では、一人のスタッフの不手際が、医療全体の不手際とみなされることだってあります。
多職種の力を組み合わせ、スタッフ一人一人が信頼関係の維持と向上のために責任を持って取り組むことができれば、患者さま・ご家族様からきっと多大なる信頼を得られることができると思います。
看護の援助過程においては、対象となる人々の考えや意向が反映されるように、積極的な参加を促すように努める。
患者さま・ご家族様のニーズをとらえて看護を行なうことが、信頼関係の維持・向上のポイントになります。
ここで大事なのは、そのニーズに応えるための取り組みを看護師やコメディカルだけが行うのではなく、患者さま・ご家族さまにも主体的に行動していただき、一緒に協力してニーズを叶えるという姿勢が大切です。
看護師には、患者さま・ご家族さまとの信頼関係の維持のため、ニーズをできる限り100%とらえるという姿勢が求められると思います。
ですが、必ずしもそれができるとは限りません。むしろほとんど無理と言っていいと思います。
患者さま・ご家族さまと看護師の考え方には、どうしてもある程度の違いが生じます。それによって、ニーズの解釈には一定のズレが発生してしまうのです。
したがって、看護師やコメディカルだけの力で患者さま・ご家族さまのニーズを叶えることはできません。
ニーズを叶えるのは患者さま・ご家族さま自身しかいないのです!!
看護師ができるのは、そのサポートを行うことだけです。
患者さま・ご家族さま自身が主体となって行動することが、ニーズを叶えるための必須条件なのです!
もしそうでなければ、看護師やコメディカルの一方的な解釈のもとで治療やケアが勧められ、患者さま・ご家族さまにとって望まない治療や結果を生んでしまうことになるかもしれません。
早とちりや思い込みで、患者さま・ご家族さまのニーズをとらえたつもりにならないように気をつけていきましょう!!
看護者は、自らの実践について理解と同意を得るために十分な説明を行い、実施結果に責任をもつことを通して、 信頼を得るように努める。
さきほどの内容と同様です。
看護師の独りよがりで、患者さま・ご家族さまのニーズをとらえたつもりになってはダメです。
信頼の維持のために、
治療に関する意思決定だけでなく、ケアや処置など、看護師が患者さまに対して実践するすべてのことにインフォームドコンセント(説明と同意)を行うことを徹底していきましょう。
また、人々の顕在的潜在的能力に着目し、その能力を信頼し、忍耐をもって見守る。
患者さま・ご家族さまのすべてが、上手に医療従事者と付き合って自らのニーズを叶え、自立できるわけではありません。
ですが、そんな時でも看護師ができるのは、代わりにニーズを叶えるということではなく、叶えられるようにサポートをする、ということです。
例えば、自力での食事摂取ができない患者さまに食事介助をしたり、経管栄養を投与する場面であっても、患者さま・ご家族さまから「自分で食べたい」というニーズがあるならば、ただ看護師が介助するのではなく、自力で栄養摂取が出来るためのサポートを行うという姿勢を無くしてはいけません。
看護師がニーズを叶えるためのサポートを諦めてしまうと、患者さま・ご家族さまもまたニーズを叶えることを諦めてしまうかもしれないのです。
そうした所でも、信頼関係は大きくなったり小さくなったりしていると思います。
さらに、看護者は、対象となる人々に対する忠実義務を有し、築かれた関係によって生まれる看護者への信頼感や依存心に 誠実に応えるように努める。
忠実という言葉には、ひたむきに、まっすぐに、間違いのなく、その通りに、といった意味合いが込められています。
その言葉通りに、
看護師は、患者さま・ご家族さまにまっすぐ向き合い、向けられる言葉や表情・態度に対してひたすらにまじめに対応することが求められるのだと思います。
少し具体性に欠けるかもしれませんが、忠実・誠実といった言葉に従って生きていくとイメージするだけでも、周りから得られる信頼というのはガラッと変わるのではないかと思います。
そうしたオーラみたいなものって、印象だけでなんとなく感じることが多いので、常にこうしたポジティブかつまじめなな言葉のイメージは持っていたほうが良いこと間違いないですね!
以上になります!
いかがでしたでしょうか。
おわりに
信頼関係というのは、看護師にとって大事、というレベルではないですね。
人生がうまく行くかは、信頼関係の維持にかかっている、といっても良いかもしれませんね。
ですので、今回の倫理に沿って生きていくだけでも、かなり人間としての力が付くんじゃないですかね。
是非、少しだけでも参考にしていただければと思います!(・∀・)
おしまい!皆さんのご意見をお待ちしています(^ム^)