栗看

~くりかん~

発熱時の看護計画の例【看護問題・看護診断の例、OP・TP・EPも!】

こんにちは、栗鈴です。

今回の記事は、『発熱の看護計画の例【看護問題・看護診断の例、OP・TP・EPも!】』になります。宜しくお願い致します。

 

はじめに

 発熱といえば、だれもが経験したことのある、よくある症状の一つですね。37℃くらいの熱なら、それ程大したことはありませんが…

 38℃に近づいてくると、一気に全身が重怠くなったり、体の節々が痛くなったり、ブルブルっと悪寒がするようになりますよね。

 このブルっと悪寒がしたと思ったらすごい熱になっているというのは、シバリングと呼ばれる生理現象によるものです。

 体温調節中枢になっている脳の視床下部から、発熱のシグナルを受け取った運動神経が骨格筋の収縮とふるえを起こし、熱の産生を促している。そうすると、体温が上昇するという仕組みなんですね。

 体温が上昇すると、体内に侵入した細菌やウィルスが弱まって、病原体の増殖が抑制されます。さらに免疫系も活性化されます。

 発熱というのは病原体から体を守るための正常な反応というわけですね。とても大事な体の仕組みなんです。

 ただ、あまりにも体温が高くなって、栄養や水分、体力が失われてしまうとせっかくの身体の防衛システムも本末転倒になりかねませんね。

 症状をコントロールしながら身体を回復させていくのが重要です。

 そこはしっかり看護師の知識と技術がお役に立てるように、よーく勉強しておきましょう!

それではやっていきます!

 

発熱って、ありふれているけれど、普通にかなりしんどいですよね…

発熱の病態生理

  • 発熱とは体温が上昇した状態をいい、臨床的には37.5℃以上とすることが多い。
  • 感染症、自己免疫性疾患、悪性腫瘍、アレルギーなどに伴う炎症によって、体内でインターロイキン1インターロイキン6などの炎症性サイトカインが産生される。こっれらは脳内の血管内皮細胞に作用し、プロスタグランジンE₂の産生を促す。
  • プロスタグランジンE₂は、視床下部にある体温調節中枢に働き、体温上昇に関わるシグナル(発熱シグナル)を活性化させる。
  • 発熱シグナルは、主に交感神経運動神経を通して末梢組織に送られ、熱産生および体表面からの熱放散抑制によって体温が上昇する。

発熱の症状と随伴症状

  • 主な自覚症状は熱感と寒気である。
  • 全身症状として、体重減少、倦怠感、易疲労感、ショックなどのバイタルサイン以上、意識障害を伴うことがある。
  • 局所症状として、頭痛、耳痛、咽頭痛、鼻汁、咳、痰、胸痛、腹痛、腰痛、関節痛、下痢、皮疹などの病変部位の炎症症状を伴う。

発熱の原因、考えられる疾患

感染症

病変部位による感染
  1. 中枢神経感染症(脳炎、髄膜炎)
  2. 頭部感染症(副鼻腔炎、中耳炎)
  3. 気道感染症(上気道炎、気管支炎、肺炎)
  4. 消化器感染症(感染性胃腸炎、虫垂炎、大腸経室炎)
  5. 胆道系感染症(胆嚢炎、胆管炎)
  6. 尿路感染症(腎盂腎炎、膀胱炎、尿道炎)
  7. その他(敗血症、感染性心内膜炎など)
病原体による分類
  1. 細菌感染症(肺炎球菌、グラム陰性桿菌など)
  2. ウイルス感染症(インフルエンザ、コロナ、麻疹、風疹、水痘など)
  3. その他(真菌感染症、原虫感染症、寄生虫感染症など)

非感染症

自己免疫性疾患
  1. 全身性エリトマトーデス(SLE)
  2. 血管炎
  3. リウマチ熱、リウマチ性多発筋痛症 など
薬剤性(薬剤性アレルギー)
  1. 抗菌薬
  2. 抗けいれん薬
  3. 抗不整脈薬
  4. 麻酔薬

上記が原因となることが多いが、すべての薬剤が原因になり得る。

悪性腫瘍
  1. リンパ腫
  2. 白血病 など

発熱の治療法・対症療法

  • 治療の原則は、原因疾患の治療である。
  • 治療が開始されている発熱、または発熱自体が病態を悪化させている場合は解熱を目的とした治療を行うことがある。
  • 解熱薬としては非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を通常用いるが、血圧低下、ショックを伴うときにはステロイド(副腎皮質ホルモン製剤)を用いることもある。
  • 体温が41℃以上の場合は輸液などで直接解熱を行うことがある。
発熱時の処方例
  • カロナール錠(アセトアミノフェン):解熱薬(抗炎症作用は弱くNSAIDsに分類されていない)
  • ロキソニン錠(ロキソプロフェン):NSAIDs
  • ブルフェン錠(イブプロフェン):NSAIDs
  • ボルタレン(ジクロフェナク):NSAIDs
  • ハイドロコートン注(ヒドロコルチゾン):ステロイド
  • ソル・コーテフ注(ヒドロコルチゾン):ステロイド

発熱の看護問題の例

#1 発熱がある

#2 発汗・不感蒸泄増加、水分摂取困難により、体液が不足する

#3 発熱、炎症に関連して呼吸困難の可能性がある

#4 発熱により口腔粘膜が障害される

#5 口腔内乾燥により栄養摂取が困難である

#6 抵抗力、免疫力が低下している

#7 発熱による関節痛・筋肉痛があり、安楽が障害される可能性がある

#8 患者・家族が発熱に対する不安を抱えている

 

#1 発熱がある

看護診断

高体温

診断指標

紅潮した皮膚、頻脈、頻呼吸

長期目標

解熱し、平熱まで体温が低下する

短期目標

解熱し、脈拍、呼吸数が安定する

OP

  1. 緊急性のある症状(悪寒、戦慄、頻脈、意識障害、低血圧、乏尿)の有無
  2. 発熱の経過、程度、出現時間、間隔、熱型
  3. 倦怠感の有無・程度
  4. 呼吸状態・回数
  5. 発汗・尿量・尿の性状
  6. 口腔内乾燥の有無・皮膚の乾燥の有無と程度
  7. 頭痛、悪心の有無と程度、食欲、食事摂取量
  8. 睡眠状態

TP

  1. 必要に応じて冷罨法を実施する
  2. 水分摂取を促す
  3. 悪寒戦慄時は、電気毛布などで掛け物の調整や温罨法を行う
  4. 口腔内乾燥時は含嗽や口腔内清拭を行い保清する
  5. 発汗時は清拭もしくは乾いたタオルで汗を拭きとる
  6. 発汗時はできるだけ早く乾いた寝衣に交換する
  7. 室内を適切な温度に調整する
  8. 各ルート挿入部がある場合は刺入部の清潔を保持する
  9. 発熱の持続、発汗等による脱水症状を認める場合は、医師の指示等に従って補液のための静脈ルートの確保を行う

EP

  1. 衣服や寝具が発汗で濡れてしまった場合、すぐ交換する必要性があることを説明する

#2 発汗・不感蒸泄増加、水分摂取困難により、体液が不足する

看護診断

体液量不足

診断指標

血圧の低下、体温の上昇、尿量の減少、口喝、皮膚の乾燥

長期目標

適切な水分摂取が出来る

短期目標

尿量が維持されている

電解質の血液データが基準値内にある

OP

  1. 尿量、尿の色、尿比重
  2. 血液データ(血中尿素窒素、血性クレアチニン値、総蛋白、ヘマトクリット値、電解質:Na、K、CL、P、Ca)
  3. 水分出納、体重
  4. 脱力感、悪心・嘔吐、めまいの有無

TP

  1. 医師に指示された輸液、薬物を投与する
  2. 薬剤投与後の副作用の出現に注意する
  3. 適宜、乾燥部位などに対しスキンケアを行う

EP

  1. 輸液の必要性について説明する
  2. 経口摂取の許可があれば水分摂取を促す

#3 発熱、炎症に関連して呼吸困難の可能性がある

看護診断

非効果的気道浄化

診断指標

咳嗽の消失、呼吸副雑音、呼吸数の変化、大量の喀痰

長期目標

気道分泌物がなくなり呼吸が穏やかになる

短期目標

副雑音が消失する

喀痰が減少する

OP

  1. 喀痰の性状、量
  2. 副雑音の有無、発熱、発汗
  3. 呼吸数、呼吸のリズム、チアノーゼの有無
  4. 胸部X線所見、動脈血液ガス分析

TP

  1. 体位ドレナージ、深呼吸、口すぼめ呼吸を促す
  2. 咳嗽後、食後などのタイミングで休息時間を設ける

EP

  1. 喀痰がある時は飲み込まずに吐き出すことを説明する
  2. 呼吸困難時の安楽体位を説明する
  3. 必要に応じて、気道内分泌物を吸引する

#4 発熱により口腔粘膜が障害される

看護診断

口腔粘膜障害

診断指標

摂食困難、口腔内乾燥

長期目標

口腔粘膜の炎症や乾燥が消失し、二次的な合併症を起こさない

短期目標

口腔内の乾燥や炎症が軽減される

OP

  1. 口腔、舌の乾燥
  2. 口腔粘膜の炎症、充血、舌苔、潰瘍
  3. 疼痛の有無、程度
  4. 唾液の量
  5. 口唇の乾燥、口臭の有無

TP

  1. 口腔ケア、口腔内の清潔を保つ
  2. 口腔内の湿潤を保つ
  3. 口唇の保湿を行う

EP

  1. 口腔ケアの必要性、方法、観察方法について説明する
  2. 飲水・含嗽を促す
  3. 水分摂取の必要性を説明する

#5 口腔内乾燥により栄養摂取が困難である

看護診断

栄養摂取消費バランス異常:必要量以下

診断指標

1日推奨食物摂取量よりも少ない食物摂取

長期目標

1日の栄養必要量が摂取でき、栄養状態が改善する

短期目標

血清総蛋白、アルブミン値が基準値以内になる

OP

  1. 食事による口腔内の痛みの有無
  2. 痛みを感じる食べ物や濃さの程度
  3. 食事摂取量
  4. 口腔内乾燥、口内炎の有無・程度
  5. 活気、表情、機嫌
  6. 血液データ(血清総蛋白、アルブミン)

TP

  1. 口腔内への刺激が少なく軟らかい食べ物を選択する
  2. 口腔内を刺激しないよう食べ物の温度を考慮する
  3. 食物を小さく食べやすい大きさにする
  4. 好みを踏まえて食べやすい食物を選択する
  5. 疼痛なく摂取できている場合は徐々に量や種類を増やしていく

EP

食べやすい食事内容について本人・家族に指導する

#6 抵抗力、免疫力が低下している

看護診断

非効果的抵抗力

診断指標

咳嗽、悪寒戦慄、発汗、倦怠感、呼吸困難

長期目標

感染のリスク因子に対して予防行動をとることができる

短期目標

発熱・悪寒戦慄がない

OP

  1. 検査データ(白血球、好中球、血小板、血液凝固データ、CRP)
  2. 細菌が侵入しやすい静脈・動脈ライン、ドレーン等の有無
  3. 活気、精神症状の有無・程度

TP

  1. 感染徴候を早期に発見する
  2. 創部処置時は感染源とならないように努める
  3. 食事を適切に摂り栄養が確保できるように支援する

EP

  1. 感染予防の手洗いやうがい、清潔な衣類の着用の必要性を指導する
  2. 感染の徴候について説明する

#7 発熱による関節痛・筋肉痛があり、安楽が障害される可能性がある

看護診断

安楽障害

診断指標

苦痛、安楽が妨げられているという訴え

長期目標

発熱・疼痛が軽減し、日常生活上の苦痛の訴えが減少する

短期目標

発熱・疼痛への対処行動がとれる

OP

  1. 疼痛、倦怠感、脱力感の有無・程度
  2. 睡眠状況(睡眠時間、熟眠感、入眠困難・中途覚醒の有無)
  3. 行動範囲の減少、活動の拒否の有無

TP

  1. 体熱感がある時は氷枕等で冷罨法を適宜実施する
  2. 発熱に伴う悪寒戦慄がみられる場合は電気毛布などで温罨法を行う
  3. 医師指示に従い、解熱鎮痛薬を使用する
  4. 必要時は体位変換を行い、安楽な体位を確保する
  5. リラックスできるように光や音に配慮して環境整備を行う

EP

  1. 発熱時の症状を説明し、症状出現時は早期対処が必要と伝える
  2. 安楽な体位について説明し、体位交換器・クッション等の使用を勧める

#8 患者・家族が発熱に対する不安を抱えている

看護診断

不安

診断指標

緊張した表情、落ち着きがない、心配、不眠や倦怠感

長期目標

発熱が軽減し不安の訴えがなくなる

短期目標

不安や疑問を言葉や表情で表出できる

OP

  1. 表情、言動、怒り、無視、落ち着きがない様子、うつろな目など
  2. 家族との会話の様子、家族の表情
  3. 不安、心配の訴え
  4. 状態や治療に対する質問の有無
  5. 医師からの説明内容
  6. 疾患や症状に対するとらえ方、それに対する怒り、不安感の有無
  7. 家族の協力体制

TP

  1. 不安が表出できるように患者・家族の側にいる時間をできる限り設ける
  2. 不安を表出することは精神的安定につながることを伝える
  3. 患者の不安を促進している要因を除去する
  4. 治療や処置前の説明を十分に行い、質問や心配な点は丁寧に答える
  5. 適宜、タッチング等の非言語的コミュニケーションを行う

EP

  1. 家族が患者にできるケアや支援があれば、方法を説明する
  2. わからないこと、心配なことは遠慮せず質問するように伝える

以上になります!

おわりに

発熱の原因は多種多様のため、原因を早期発見し、早期治療が行われることが重要です!また、発熱時のケアは、発熱および随伴症状を抑えながら、安静・休息を保つことが基本になります。そして、全身状態の観察、食事の十分な摂取、感染予防の徹底、輸液の確実投与、内服の作用・副作用の確認、定期的な保清、血圧低下(ショック)時の準備など、必要な看護ケアを丁寧に実施していくことも大切です。敗血症など、生命に直結するパターンもあるため、病態を十分に把握して介入することを常に心がけていきましょう!

参考文献

病期・病態・重症度からみた疾患別看護過程+病態関連図 2‐20P:編集 井上智子/佐藤千史:医学書院

 

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