栗看

~くりかん~

関節リウマチの看護計画【OP・TP・EP】(これでばっちり)

みなさん、こんちは。栗鈴です。

今回の記事は「関節リウマチの看護計画」です。

宜しくお願い致します。

 

 

はじめに

令和の時代となり、慢性疾患がアツくなってまいりました!

高齢者の方が増加していることで、慢性疾患も比例して増加傾向なんですね。

 

2025年になると団塊の世代がみな75歳以上になり、3人に1人が75歳以上になる時が来ると言われております。

 

すると、患者数の増大から、病院はパンク状態!

医師は患者さまを診察しきれなくなります…

 

そこで、厚生労働省は「地域包括ケア」という対策を打ち出しました。

地域包括ケアシステム
 

 団塊の世代が75歳以上となる2025年を目途に、重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供されるシステムを指す。

 

今後、認知症や高齢者の増加が見込まれることから、認知症や高齢者の地域での生活を支えるためにも、地域包括ケアシステムの構築が重要である。

 
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厚生労働省のホームページより 

 

っくり言うと、

『地域』で医療と介護のチームを作りましょう

という取り組みです。 

 

地域包括ケアシステムを活性化していくうえで、

  • 治療と介護
  • 介護と住まい
  • 住まいと疾病予防・生活援助
  • 疾病予防・生活援助と治療 など、

それぞれ同士の連携が、より大事になってくるでしょう。

 

地域包括ケアシステムの恩恵を受けるのは、高齢者や認知症の患者さまだけではありません。長期にわたり病気と付き合い続けなければならない、慢性疾患の患者さまも同様です。

 

したがって、看護師は高齢者・認知症・慢性疾患に特化して勉強をしていく必要があるでしょう。

 

というわけで今回は、慢性疾患の代表格を一緒に勉強していきます!
 

慢性疾患といったら膠原病!

膠原病といったらリウマチ !

てことで今回は関節リウマチの看護について書いていきたいと思います!

さっそくやっていきましょう!

リウマチってよく聞きますが、なかなか大変な疾患なんです。

 

関節リウマチの概念

  • 関節リウマチ(RA)は、しばしば各所の関節外症状を伴って慢性に経過する、多発性の関節炎である。
  • 関節には滑膜の炎症、肉芽腫性増殖が起こり、 病変が進行すると関節の変形と硬直を生じ、日常生活が困難な身体障害者となる。
  • 血清中、滑液中にはlgG に対する自己抗体(リウマチ因子)が証明されるので自己免疫疾患とみなされる。
  • 関節外症状は皮下結節、間質性肺炎など多彩であるが、 とくに全身の血管炎を生じた例は生命に対する予後が不良であり、悪性関節リウマチmalignant rheumatoid arthritis(MRA)と呼ばれる。
  • 我が国でのRA 患者は約100 万人に迫ると推定される。女性が男性に比べて3~5 倍多く、好発年齢は40 歳をピークとし、20 歳~60 歳代にわたる。


関節リウマチの病態生理

関節の病理

  • 初期の変化は滑膜の浮腫、フィブリン滲出、 細胞浸潤であり滑膜も増量する。滑膜の炎症が持続すると、滑膜は肥厚し、 一種の肉芽組織であるパンヌスが軟骨表面に増殖して次第に軟骨を破壊する。このため、 軟骨は消失し、関節面は繊維性もしくは骨性結合織に置き換えられて関節の硬直が起こる。

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リウマチ結節

  • 皮下、滑膜、ときに内臓(肺・心・眼など) にリウマチ結節と呼ばれる特異的な小結節を生ずる。
  • 結節中心部はフィブリノイド壊死に陥り、周辺部に単球が柵状に並び、さらに外側をリンパ球と形質細胞の浸潤が取り囲んでいる。 

 
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リウマチ因子

  • 患者の約80%の血清および滑液中にlgG に対する自己抗体が認められ、リウマチ因子と呼ばれる。
  • 滑液の炎症は滑液中のリウマチ因子が抗原のlgG と結合して免疫複合体となり、さらに補体が結合するために生ずると考えられている。 

関節リウマチの症状

1)関節症状

①手の関節
  • 軟部組織の腫脹を伴い、伸筋と屈筋の腱鞘炎をきたす。
  • 初期には朝のこわばりと呼ばれる症状が出現する。次に関節痛が起こる。これは手首、 肘、膝など体の中心に近い大きな関節の痛みへ変わっていく。
  • 進行するとスワンネック変形、ボタン穴変形などをみる。

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  • また、 軟骨および骨の破壊により、中手指節関節の亜脱臼を起こし、尺側偏位が生じる。
②腕

伸展尺側部に無症候性腫脹を認めたり、 正中神経障害を伴う手根管症候群を起こす。

③環軸関節

亜脱臼を起こすとともに、 知覚および錐体路徴候を伴った脊髄圧迫を起こす。

④輪状披裂関節

声帯が内転し喉頭閉塞の原因となる。

⑤顎関節

咀嚼障害を起こす。

⑥股関節

可動制限をきたし、進行すると膀胱・直腸障害を起こす。 合併症として無菌性骨壊死を伴うこともある。

⑦膝

リウマチ性滲出液が貯留し、ときとして下腿後面まで拡散することがある。

⑧中足趾節関節

亜脱臼、外反母趾をおこし、歩行時の激痛と歩行困難の原因となる。

2)関節外症状

①皮下結節

肘、手指、後頭部、 肩甲骨部など刺激や圧迫をうけやすい部位に認められる。

②血管炎に伴う症状
  • 爪周囲の小梗塞が多い。
  • レイノー現象は両側性の手指の虚血を示唆している。
  • 心臓では狭心症・心筋梗塞、肺では肺高血圧症、腎臓では糸球体硬化症、脳では脳梗塞が起こりうる。
③心症状

約30%に心外膜炎が認められる。

リウマトイド結節を生じることもある。

④肺症状

間質性肺炎、気道病変、胸膜病変、リウマチ結節、血管病変、 睡眠時無呼吸症候群(顎関節病変、輪状披裂関節病変)などを合併することがある。

⑤眼症状

上強膜炎・強膜炎、虹彩炎がみられる。

関節リウマチの診断


関節リウマチの検査所見

  •  血液検査

白血球増加、血小板増加等の炎症所見が見られ、 特にCRP 上昇、赤血球沈降速度亢進は活動性の指標となる。

リウマトイド因子は陽性であることがほとんどだが、誰でも高齢となるにつれて陽性の頻度は高くなるためこれをもって診断を確定することは出来ない。

  • 画像診断

単純レントゲン写真、CT、MRI、エコー


関節リウマチの診断基準

旧来より、米国リウマチ学会(ACR) の分類基準が広く一般的に使われている。


1、朝のこわばり(一時間以上持続する)
2、多関節炎(少なくとも3 領域以上の関節の腫れ)
3、手の関節の腫れ
4、対称性の関節炎の腫れ
5、リウマチ結節
6、リウマトイド因子(リウマチ因子)陽性
7、レントゲン検査で典型的な関節所見


以上7 項目のうち4 項目以上を満たせば、「関節リウマチ」と診断する。

 


関節リウマチの治療


1)基礎療法

患者と家族に疾患をよく理解させて患者の精神的安定を保ち、 適宜休養と運動を行わせる。
関節痛には非ステロイド消炎剤を投与し、必要に応じて温熱療法( パラフィン浴など)と関節可動域運動(ROM)を行う。


2)薬物療法

DMARDs

関節リウマチの病気の勢いそのものを弱める薬としては、

  • メトトレキサート(リウマトレックス)
  • スルファサラジン(アザルフィジン)
  • ブシラミン( リマチル)
  • レフルノミド(アラバ)
  • ミゾリビン
  • タクロリムス(プログラフ)

が使用可能である。

 

免疫抑制薬
  • アザチオプリン(イムラン)
  • シクロスポリン( ネオーラル)

も効果が示されているが、日本国内では適応はない。

 

メトトレキサートには重篤な副作用がみられることがあり、 慎重な対応が必要である。


生命にかかわる副作用としては骨髄抑制間質性肺炎がある。


ステロイド

ステロイドには病気の進行を遅らせる効果はないとされており、 対症療法として扱われていた。しかし臨床試験の結果、 ステロイドも病気の進行を遅らせる効果を示すことがわかった。また、DMARDs のみよりもDMARDs にステロイドを加えたほうが病気の進行をさらに遅らせるという研究結果も報告されている。


抗サイトカイン療法
  • インフリキシマブ(レミケード)
  • アダリムマブ(ヒュミラ)
  • トシリズマブ(アクテムラ)
  • エタネルセプト(エンブレル)
  • アバタセプト( オレンシア)

は新しく開発された薬で、これまでの製薬との違いとして、 始めからある機能を担うことを狙って作られた「分子標的薬」であることが上げられる。

 

インフリキシマブ、 アダリムマブ、エタネルセプトについては抗サイトカイン療法ではなく抗TNF- α療法と呼ばれることもある。これらはきわめて強力な治療効果を示し、 リウマチの診療そのものの姿を変化させつつある。しかしこれらは免疫に対する抑制効果が強く、しばしば感染症を引き起こすことがある。

3)理学療法

温熱療法、ROMの他にマッサージ、作業療法、 補装具の着用などを行う。

4)外科療法

関節形成術、関節固定術、滑膜切除術などが行われることがある。


関節リウマチの合併症

生命に対する予後に影響する合併症として、

  • 感染症
  • 肺線維症
  • アミロイドーシス
  • 過粘稠度症候群

などがある。

関節リウマチの予後

原因そのものを治す治療法は存在しない

しかし、発症早期(5 年以内)からの抗サイトカイン療法によって、30~50%の症例で臨床的寛解( DAS28<2.6)が得られることが分かってきており、中でもインフリキシマブにおいては、臨床的寛解後に突入後、一定条件を満たす事が出来れば投与を中止しても臨床的寛解がその後も持続することが確認されている。

 

抗サイトカイン療法の中止に加えて、その他のDMARDs、 ステロイド等を含む全ての治療薬を中止出来た状態は「真の寛解」と呼ばれ、 数年後の治療目標とされている。

 

 それでは、次に看護の方にまいりましょう!

 

 

 関節リウマチの看護問題

♯1 関節痛、しびれ、こわばり、変形や拘縮により安楽を保持できない

♯2 疼痛など苦痛の増強により休息、睡眠がとれない

♯3 関節および全身症状によりADLに支障をきたしている

♯4 関節症状や身体可動性障害、および意欲低下などにより自発的なセルフケアが維持、向上できない

♯5 関節症状や身体可動域障害により安全に活動できない

♯6 患者、家族が疾患や治療に対する不安、人生設計再編に関する悩みを抱えている

♯7 過剰不安や知識不足により適切な治療が継続されない

♯8 活動制限や意欲低下により社会との接触が減少し、自身の存在価値が低下する

♯9 変形や関節拘縮によりボディイメージが障害される

 

関節リウマチの看護目標・看護計画の例


♯1 関節痛、しびれ、こわばり、変形や拘縮により安楽を保持できない

<長期目標>

疼痛などの症状が緩和され、苦痛が軽減する

<短期目標>

疼痛緩和方法を習得し、適切に実行できる

観察計画(OP)

O1 症状の部位、程度、出現時期、出現の様子(突然か徐々にか)、持続時間、症状の強さの変動、運動時か安静時か、こわばりやしびれの有無と程度
O2 腫脹の出現部位、程度、熱感の有無
O3 変形や拘縮、骨粗鬆症、大腿骨頭壊死、圧迫骨折の有無と程度
O4 皮下結節の有無、部位
O5 関節可動域の変動、筋力低下の有無、ADL制限の程度
O6 バイタルサイン
O7 検査データ(CRP、赤沈、白血球、リウマトイド因子)
O8 薬物治療内容(リウマチ治療薬内容、服用状況、鎮痛薬の使用頻度、効果など)
09 活動と休息のバランス、睡眠の量と質
O10 表情、動作

ケア計画(TP)

T1 冷罨法、温罨法、室温調整(保温)
T2 医師の指示に基づく頓用鎮痛薬、湿布などの使用
T3 体位や姿勢の工夫、必要時関節保護、固定(サポーター、包帯)、マッサージ、深呼吸
T4 炎症反応が強い時期は安静の保持、自助具の使用工夫、必要に応じたADL介助
T5 安定期はセルフケア、リウマチ体操の促し

教育計画(EP)

E1 疼痛緩和方法、疼痛を引き起こしたり増強させない方法について確認する
E2 転倒、外傷予防について指導を行う
E3 標準体重を維持するよう伝える
E4 痛みを我慢しないよう伝える
E5 頓用薬の使用に関する不安の聴取、アドバイスする
E6 痛みや薬に対し適切な知識をもっているか確認する

 


♯2 疼痛など苦痛の増強により休息、睡眠がとれない

<長期目標>

量、質ともに充足した休息をとることができる

<短期目標>

活動と休息のバランスについて理解し、適切に休息をとることができる

観察計画(OP)

O1 疲労感、倦怠感
O2 疼痛、しびれ、こわばりの有無と程度
O3 睡眠の量と質(入眠障害、途中覚醒の有無)
O4 バイタルサイン、検査データ(炎症、貧血、栄養状態など)
O5ADL、活動量
O6 あせり、不安など心理面

ケア計画(TP)

T1 鎮痛薬や湿布、罨法などによる疼痛緩和
T2 安眠できる環境を整える
T3 体位や姿勢の調整
T4 睡眠薬使用の検討、医師の指示に基づいた使用

教育計画(EP)

E1 量、質ともに充足した休息の重要性を説明する
E2 疲れを感じたら休むよう説明する
E3 バランスのとれた食事(蛋白質、鉄分、ビタミンCが不足しないように)
E4 活動と休息のバランスについて、次の日に疲れが残らない程度の運動を勧める(運動の2倍の安静時間を確保)

 

♯3 関節および全身症状によりADLに支障をきたしている

<長期目標>

1、 最大限の筋力と関節可動域を維持する
2、 拘縮、血流うっ帯などを起こさない

<短期目標>

1、関節可動域を縮小させない
2、筋力を低下させない

観察計画(OP)

O1 関節可動域、筋力、変形や拘縮の有無と程度
O2 疼痛、疲労感、こわばり、しびれ
O3 活動状況、ADL、セルフケアの様子
O4 ステロイド薬の副作用による圧迫骨折、骨頭壊死の有無

ケア計画(TP)

T1 活動能力に応じて補助具や介護用具を使用する
T2 障害が強い場合は介助する
T3 理学療法士などと連携を図り、薬物療法と並行して各段階に応じたリハビリテーションを行う

教育計画(EP)

E1 緩慢な動作であっても見守る、家族にも同じ対応をするよう指導する
E2 廃用性変化や骨粗鬆症予防の必要性の認識確認
E3 安全、安楽な方法をともに検討し、実践する

 

♯4 関節症状や身体可動性障害、および意欲低下などにより自発的なセルフケアが維持、向上できない

<長期目標>

限界を把握したうえで、休息と活動のバランスをとり、自発的に安全に身の回りのことができる

<短期目標>

セルフケアの重要性を理解し、安全なセルフケア技術を習得、実践できる 

観察計画(OP)

O1 関節症状、全身状態、関節可動域、筋力、ADL、活動状況
O2 セルフケアに対する認識、意欲
O3 動ける時間帯の把握

ケア計画(TP)

T1 必要に応じて補助具や介護用具を使用し、日常生活を安全に一人で行えるよう練習する。必要時には介助する(食事、排泄、更衣、整容、配薬、開封など)
T2 疼痛やこわばりの強くない時間帯に活動する
T3 リウマチ体操により可動域維持、拘縮、ADL低下防止

教育計画(EP)

E1 患者、家族に、セルフケアの重要性に対する認識を確認し、認識が薄い場合は必要性を理解させる
E2 安全なセルフケア技術のアドバイス、検討
E3 環境調整、家族の協力の必要性の認識確認
E4 必要時には自助具や社会資源の活用を促す

 

♯5 関節症状や身体可動域障害により安全に活動できない

<長期目標>

転倒による外傷や骨折など損傷を起こすことなくADLが行える

<短期目標>

限界を把握し、安全にADLを行うことができる

観察計画(OP)

O1 関節可動域、筋力、ADL
O2 痛みやこわばり、しびれの強い時間帯の把握
O3 療養環境
O4 骨粗鬆症の程度
O5 あせりや不安、遠慮

ケア計画(TP)

T1 環境調節
T2 必要に応じて補助具や介護用具を使用して慣らす
T3 リスクが高い場合は介助する
T4 安静度(行動範囲)を定める
T5 苦痛の強い時間帯を避ける

教育計画(EP)

E1 起こりやすい事故と場面、その対策について患者、家族に説明する

E2 骨粗鬆症予防の食事メニューについて情報提供する

 

♯6 患者、家族が疾患や治療に対する不安、人生設計再編に関する悩みを抱えている

<長期目標>

医療者に相談することで不安軽減の糸口がみつかり、心身ともに安定した生活を送ることができる

<短期目標>

不安を抱え込まず、医療者や周囲の人に表出することができる

観察計画(OP)

O1 患者、家族の不安に関する表出内容(将来への不
安など)、表情、言動
O2 疾患や治療に対する理解度、対処方法
O3 家族の受け入れ体制
O4 社会的役割
O5 関節可動域の変動、ADL制限の程度
06 経済状況

ケア計画(TP)

T1 傾聴、対処方法の検討
T2 周囲の力や社会資源などを活用する

教育計画(EP)

E1 心理状態が身体症状や疾患を増悪させること、心理状態を安寧に保つことの重要性を認識させ、自発的にコントロールしていけるよう促す
E2 患者、家族に不安な点や困っていることなどについて相談するよう伝える
E3 すぐにあきらめず、可能なことから始めてみつように促す

 

♯7 過剰不安や知識不足により適切な治療が継続されない

<長期目標>

疾患や治療について適切に理解し、確実な治療を継続することができる

<短期目標>

疾患や治療内容について適切な知識をもつ

観察計画(OP)

O1 病状、進行の程度、治療内容と効果
O2 服薬状況(中断、調節の有無)
O3 患者、家族の疾患や治療に対する受けとめ、理解度
O4 患者および家族のキャラクター、社会的背景

ケア計画(TP)

T1 医師の指示のもと、正確に配薬する

教育計画(EP)

E1 過剰な不安を抱いている場合や知識不足の場合は、その内容を明らかにし、繰り返し丁寧に説明する
E2 確実に服薬するよう指導する
E3 安全なADLの重要性の認識確認と練習
E4 必要時は遠慮せず介助の手を借りるよう促す

 

♯8 活動制限や意欲低下により社会との接触が減少し、自身の存在価値が低下する

<長期目標>

本来果たすべき社会的役割を果たすことができる

<短期目標>

社会との接触の重要性を認識し、日常生活に結びつけることができる

観察計画(OP)

O1 身体可動性障害の程度、活動状況
O2 本来の社会的役割
O3 意欲、心理状態

ケア計画(TP)

T1 傾聴、対処方法の検討

教育計画(EP)

E1 疾患による制限を認知し、可能な範囲で役割を果たせるよう促す
E2 あせる気持ちに配慮しつつ、徐々に進めていくよう促す

 

♯9 変形や関節拘縮によりボディイメージが障害される

<長期目標> 

患者が関節の変形を受け入れられるようになる

 <短期目標>

ステロイド薬によるムーンフェイスなどが治療による一時的な症状だと理解し、現状の状態を受け入れられる

観察計画(OP)

O1 変形や拘縮の有無、程度
O2 ステロイド薬の副作用(ムーンフェイス、にきび、
肥満など)の有無と程度
O3 ボディイメージの障害による意欲低下、活動量減少

ケア計画(TP)

T1 患者が自分の長所をみつけるように援助する
T2 患者の状態について肯定的な変化を指摘する

教育計画(EP)

E1 患者が自分に救いがないと思わないようにする
E2 薬による一時的な副作用の場合、薬を使用しなくなれば消失することを説明し、副作用症状の対策をともに検討する

【関節リウマチで考えられる看護診断名候補と共同問題】

1.安楽障害
2.消耗性疲労、不眠
3.身体可動性障害
4.セルフケア不足シンドローム
5.身体損傷リスク状態
6.不安、無力
7.非効果的治療計画管理リスク状態
8.社会的孤立
9.ボディイメージ混乱

 

以上になります!

いかがでしたでしょうか。

おわりに

関節リウマチは、身体面・精神面・社会面のいずれもが大きく障害される疾患です。

進行状況や関節外症状よっては、重篤に陥ることさえあるのです。

 

しかし、適切な治療と看護を持ってすれば、健常者なみに生活していくことが出来る疾患でもあります。

 

ただし、慢性疾患である以上、治療には限界があるため、疾患自体とはほぼ一生付き合っていかなければなりません。

 

看護、そして介護や住まい、生活援助や症状の進行の予防に向けた多職種と地域の連携がかならず必要になるでしょう。

 

つまり地域包括ケアシステムの構築です。

 

看護師は、

『ただ看護をする』という時代はもう終わりに近づいているのかもしれません。

 

患者さまがその人らしく生きていくために、『看護師として』にプラスして、『同じ地域の人間として』支えられるように努めていきたいですね!!

 

おわり

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